安倍首相とプーチン大統領が山口で会談、領土問題の打開探る

会談に先立ち、握手を交わす安倍晋三首相とロシアのウラジーミル・プーチン大統領(2016年12月15日撮影)。(c)AFP/Kazuhiro NOGI〔AFPBB News

 12月15日、16日の両日にわたって行われた安倍晋三首相、ロシアのプーチン大統領の会談結果について、領土問題では進展がなかったというのが、新聞論調や自民党も含む各党の大方の見方である。それどころか野党は「失敗だった」と批判している。

 しかし、ことが簡単に進むと考える方が間違っている。国後、択捉、歯舞、色丹が旧ソ連に奪われて、すでに70年余も経過している。この間、旧ソ連時代も含めてさまざまな交渉が行われてきたが、ただの一歩も前進することはなかった。

 しかも交渉相手のプーチン大統領は、今回の首脳会談に先だって、「第2次世界大戦の結果は、しかるべき国際的な文書で確定している」「領土問題は存在しない」と公言していたのである。そんな相手と交渉しても、ことが簡単に進まないのは自明のことであった。

北方領土の位置(出所:外務省)

今回の領土交渉は本当に失敗か

 これに対して、日本共産党の志位和夫委員長は次のような談話を発表し、今回の日ロ交渉を厳しく批判している。