主要3中銀の「低金利がしばらく続く」というメッセージは何を示唆しているのか。写真はFRBが入っているワシントン.D.C.のエクルズ・ビル(出所:Wikipedia)

 日米欧のG3主要国はそれぞれ3月の金融政策決定会合を終えました。米連邦準備制度理事会(FRB)、欧州中央銀行(ECB)、そして日銀の主要3中銀はいずれも「低金利がしばらく続く」とのメッセージを金融市場に発信しました。

「低金利がしばらく続く」とのメッセージは結局のところ、2014年7月から1年半以上にわたって続いているドル高局面の終わりと(場合によっては)ドル安への転換を示唆している可能性があります。

「低金利がしばらく続く」というメッセージの意味

 主要3中銀が異口同音に発する「低金利がしばらく続く」とのメッセージについて、まずは米国を考えると、それはドル金利が当初考えられていたほどに上がらないということを示唆します。これが利益確定のドル売りにつながりやすいことは想像に難くないでしょう。

 次に、日欧にとってみれば、「低金利がしばらく続く」とのメッセージは、緩和的な金融政策を維持するとの姿勢には変わりありませんが、その一方で、必ずしも政策金利をこれからどんどん引き下げていくということを意味しません。実際のところ、政策金利はほとんど下限に近い水準にあると考えられます。

 ドラギECB総裁は、3月10日のECB金融政策理事会後の記者会見で、しばらく利下げは考えておらず、当面はフォワードガイダンスを強化するとの方針を示しました。フォワードガイダンスとは、低金利を長く維持すると確約することで、長期金利の低下を促し、実体経済の刺激を狙うものです。