前回のコラム(2015年12月14日付「米国の景気後退が視野に入る3つの理由」http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/45505)では、「2016年はどんな年か?」という問いに対し、2016年は「米国の景気後退が視野に入る年」と答え、そう考える理由を3つ検討しました。

 今回は「そうした見通しの下で、日本の個人投資家はどうすればよいのか?」について考えてみます。前回が「What?」に、今回が「How?」に対応するものです。

 年初来、市場は大きく動揺しています。本稿は、投資をする上で、局面にかかわらず、常に重要なことについて述べています。しかしながら、それらは特に年初来のような局面でより大きな意義を持つと考えられます。

「低利回りだが、値動きは激しい」運用難が続く

 2016年の金融市場全般の動向はどうかと言えば、ひとことで言えば「2015年と似たような年になる」と考えています。

 第1回目のコラムで主題としたように、2016年は「米国の景気後退が常に頭の片隅に意識される」分、投資家はリスク資産をどんどん買い上がっていくようにはなれないと考えています。期待リターンは低く留まる、「低成長・低利回り」の世界です。

 一方、例年通り変わらないものもあります。それはボラティリティの高さ(金融市場の変動性の大きさ)です。2015年もさまざまな出来事が金融市場に影響を与えましたが、中でも主要国の金融政策がボラティリティの中心であったと言えるでしょう。