中国、偽造困難な新百元札を発行

中国北部・河北省邯鄲の銀行で、新百元札を見せる銀行員(2015年11月12日撮影)。(c)AFP〔AFPBB News

 国際通貨基金(IMF)は11月30日の理事会で特別引き出し権(SDR)の算定基準となる通貨に中国・人民元を2016年10月から組み入れることを最終決定した。

 これにより人民元は米ドル・ユーロ・円・英ポンドと並ぶ5番目の基準通貨に確定し、ドルを基軸とする国際金融の枠組みの中で一段と存在感を増すことになる。人民元のSDRにおける構成比率は事前の予想に近い10.9%と決まり、米ドル(41.7%)とユーロ(30.9%)に続く第3位になる(円は8.3%で第4位)。

 人民元の基準通貨への採用は「通貨の取引の自由度の高さ」が長年障害となっていた。人民元は現在でも中国共産党の支配下にある中国人民銀行が基準相場を設定し、変動を基準値の上下2%以内に限って許容している。元の金融資本市場も制限だらけであり、資本取引での利用に厳しい規制が残っている。為替レートが自由に変動し、公正に開かれた金融市場を基盤とする先進国の通貨の水準にははるかに及ばない。

 日本は1964年にIMF8条国(為替規制を撤廃し貿易など経常取引に伴う通貨の交換性を保つ措置を講じることをコミットする)に移行し、1973年に変動相場制を採用、1998年に為替取引の完全自由化を実施した。

 これに対し中国は1996年にIMF8条国に移行したが、中国政府はその後、具体的な措置を講じなかった。「2020年までに元を交換が可能で自由に使える通貨にする」としているが、具体的な工程表を示していない。