世界の再エネ拡大は自治体が牽引する

ボン、コペンハーゲン、サンフランシスコ・・・海外先進都市の取組

2015.12.08(火) 稲垣 憲治
    http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/45411
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カーボンフリー電力で米国サンンフランシスコ市内を走るMUNIバス(電力で走る路面バス)、筆者撮影

 東日本大震災以降、再生可能エネルギー拡大の重要性が認識され、日本政府は「望ましいエネルギーミックス」として、2030年までに再生可能エネルギーの比率を22~24%程度まで拡大する目標を掲げている。

 日本では「エネルギー政策」というと国のみが行っているイメージが強いが、分散型電源である再生可能エネルギーの拡大には自治体の取組が重要である。ここでは、再生可能エネルギー拡大に積極的に取り組む世界の都市の事例を紹介したい。

建物の太陽光発電への適性が一目瞭然の「ソーラー屋根台帳」

 ベートーベンの生誕地で、旧西ドイツの首都でもあったボン市は、2009年から「ソーラー屋根台帳」を公開している。ソーラー屋根台帳とは、建物ごとに太陽光発電への適性を示すウェブマップである。

 航空測量データを利用した3次元モデル解析により、屋根の面積や角度、近隣建物による日陰の影響が計算され、各建物の太陽光発電への適性が色づけされて示される。また、建物にカーソルを合わせクリックすると建物ごとに太陽光発電の設置可能容量や推定年間発電量等が表示されるものが一般的で、市民が太陽光発電設置の際に参考とすることができる。

ボン市のソーラー屋根台帳(ボン市HPより)

 ボン市のソーラー屋根台帳は、「とても適している(赤色)」「適している(オレンジ色)」「適していない(青色)」で色分けされており、「とても適している」と「適している」と表示された屋根を合計すると30万kW以上の太陽光発電設置ポテンシャルになるという(設備容量ベースで小型の火力発電プラントと同程度)。現在、既に設置されている太陽光発電の容量は1万kW程度であるからまだまだ設置可能な建物は多く残っていることになる。

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(いながき・けんじ)平成17年3月東京大学大学院修了(エネルギー工学)。同4月文部科学省入省、原子力計画課係長などを経て22年3月退職。同4月東京都庁入庁。ソーラー屋根台帳、屋根貸しマッチング事業、シティチャージ設置事業など自治体の新しい太陽光発電普及策の企画に従事。26年4月から(公財)東京都環境公社(都から派遣)。5か国10都市で先進都市の再生可能エネルギー普及策等を現地調査。

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20世紀の社会を築き、支えてきた石油。しかし世界的な環境意識の高まりの中で、石油依存社会の限界が明らかになりつつある。石油はいまどうなっているのか。石油社会の次を築き、新世紀を切り開くイノベーションは何か。その最先端の姿をリポートする。

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