再生可能エネルギー政策の抜本的見直しが始まる

2030年に向けて制度改正、事業者は生き残れるか

2015.10.05(月) 宇佐美 典也
    http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/44879
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経済産業省で再生可能エネルギー政策の抜本的な見直しに関する議論が始まっている。固定価格買取制度が始まったのは2012年、この3年間で再生可能エネルギーを囲む環境は大きく変化しつつある。

 主な点を上げると、想定以上の太陽光発電の大量導入による消費者への価格転嫁、電力系統の逼迫、原発の再稼働、電力自由化の進展、長期エネルギー見通し(エネルギーミックス)の確定といったところであろう。

 こうした変化を踏まえて経済産業省は2015年9月から再生可能エネルギー導入促進関連制度改革小委員会(以下「再エネ改革小委」)を立ち上げ、制度改正に向けた議論を本格化させている。

2030年までに再生可能エネルギーの電源比率を2倍に

 改めて問題意識を確認すると、再エネ改革小委設置の背景の筆頭に上げられるのは2030年の電源構成について、政府の方針を示したエネルギーミックスであろう。

【参考資料】エネルギーミックスの実現/出典「再生可能エネルギーの導入促進に係る制度の現状と課題」p.4

 現状、日本の再生可能エネルギー電源の比率は12.2%だが、政府は2030年時点でこれを22~24%と、約2倍向上させることを目標としている。

 現状の12.2%の内訳は【水力:9.0%、その他:3.2%】と水力が中心だが、国内の大規模水力発電の開発余地はほとんどないので、今後はその他の再エネ電源の規模を大きく引き上げる必要がある。2015年時点を基準に、どの程度の引き上げか数値化すると、

  太陽光発電:(23.71GW)から2.7倍の64GW

  風力発電:(2.93GW)から3.4倍の10GW

  中小水力発電:(9.72GW)から1.2倍の10.84~11.55GW

  地熱発電:(0.54GW)から3.0倍の1.40~1.55GW

  バイオマス発電:(2.54GW)から3.0倍の6.02〜7.28GW

  ※()内の数字は2015年時点の規模を示す

 という具合だ。現状は開発が容易な太陽光発電に新規再エネ電源開発が集中している形となっているのだが、今後は他の電源の導入も強化していくべく制度の在り方を模索しているというわけだ。

【参考資料】国民負担を踏まえた効率的な導入/出典「再生可能エネルギーの導入促進に係る制度の現状と課題」p.5

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1981年、東京都生まれ。暁星高校、東京大学経済学部を経て、経済産業省に入省。企業立地促進政策、農商工連携政策、技術関連法制の見直しを担当したのち、新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)にて電機・IT分野の国家プロジェクトの立案およびマネジメントを担当。2012年9月に経済産業省を退職。現在、再生可能エネルギー分野や地域活性化分野のコンサルティングを展開している。著書に『30歳キャリア官僚が最後にどうしても伝えたいこと』(ダイヤモンド社)、『肩書き捨てたら地獄だった - 挫折した元官僚が教える「頼れない」時代の働き方』(中公新書ラクレ) など。

エネルギー戦略

20世紀の社会を築き、支えてきた石油。しかし世界的な環境意識の高まりの中で、石油依存社会の限界が明らかになりつつある。石油はいまどうなっているのか。石油社会の次を築き、新世紀を切り開くイノベーションは何か。その最先端の姿をリポートする。

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