8月27日に総務省から発表された7月の全国消費者物価指数(全国CPI)は、「生鮮食品を除く総合」(コア)ベースで前年同月比▲1.1%となり、マイナス幅は前月から0.1%ポイント拡大した。コア前年同月比の押し上げには、「電気代」「都市ガス代」「被服及び履物」などが寄与。一方、押し下げには、「ガソリン」「灯油」「生鮮食品を除く食料」「外国パック旅行」「高速自動車国道料金」などが寄与した。

 国際商品市況から影響を受けやすい品目が除去されているため、消費者物価の基調をより明確に示していると考えられる「食料(酒類を除く)及びエネルギーを除く総合」(いわゆる欧米型コア)は、前年同月比▲1.5%で、マイナス幅は前月から変わらなかった。

 一方、CPIの足元の方向を把握する上で使い勝手がよい季節調整済指数(2005年=100)は、コアが98.9(前月比▲0.3%)。欧米型コアは97.0(同▲0.1%)で、過去最低水準を更新した。特に後者を筆者は毎月注視しているのだが、物価の下落トレンドがしっかり続いていることが今回も確認されたと受け止めている。

 8月の東京都区部消費者物価指数(全国CPI)は、「生鮮食品を除く総合」(コア)が前年同月比▲1.1%で、マイナス幅は前月から0.2%ポイント縮小した(弊社予想通りの数字)。コア前年同月比の押し上げには、「電気代」「都市ガス代」「家賃」「生鮮食品を除く食料」「航空運賃」「移動電話通信料」などが寄与。一方、押し下げには、「教養娯楽用耐久財」「被服及び履物」「ガソリン」などが寄与した。

 「食料(酒類を除く)及びエネルギーを除く総合」(いわゆる欧米型コア)は、前年同月比▲1.4%。マイナス幅は4月以降、5カ月連続で同水準になった。

 季節調整済指数(2005年=100)は、コアが98.4、欧米型コアが97.3で、いずれも前月比横ばいとなった。しかし、単月の数字では下げ止まったとは判断できない。為替相場の円高進行が今後、デフレ圧力を強める可能性も意識される。