先週の米国株式市場
―ダウ平均、FRB議長の発言受け高値更新も週間では下落―


<先週の概況>

先週の米国株式市場は高安まちまちでした。ダウ平均やS&P500はイエレンFRB議長の議会証言が想定されていたよりもややハト派よりだったことを好感し、一時は史上最高値を更新しました。ただ、冴えない経済指標の発表を受け上値は重く、週の後半にかけて下落すると結局両指数は週間で小幅な下落となりました。一方でハイテク株比率の高いナスダック総合指数は小幅に上昇しています。


米国株式市場バリュエーション




業種別リターン



ダウ平均採用銘柄 週間騰落率ランキング



<上昇>

ダウ平均採用の30銘柄は上昇・下落とも15銘柄ずつとなりました。マクドナルド(MCD)やコカ・コーラ(KO)、ナイキ(NKE)、ジョンソン・エンド・ジョンソン(JNJ)など食品や生活必需品関連の上昇が目立ちました。また、JPモルガン(JPM)は大手機関投資家の預金から手数料を徴収すると伝わり、収益改善期待から買われました。

<下落>

シェブロン(CVX)やエクソン・モービル(XOM)は原油価格の下落を受けて売られました。また、IBM(IBM)は2015年にクラウドサービスや分析事業、携帯関連事業などに40億ドルを投入する方針を示し支出増が今後の業績を圧迫するとの懸念から下落しました。

先週発表された主な経済指標

カンファレンスボード消費者信頼感指数 2月 96.4 市場予想 99.5 前月 103.8(上方修正)

24日に発表された2月のカンファレンスボード消費者信頼感指数は96.4と前月から大きく悪化し、市場予想を下回りました。
同指数のヘッドラインは将来についての期待指数が6割のウェイトを占め、残る4割が現況についての調査となっています。2月の調査では、ウェイトの大きい期待指数が前月の97→87.2と大きく悪化したことがヘッドラインを大きく押し下げる要因となりました。先に発表されたミシガン大学消費者信頼感指数の悪化と整合的なことから、原油安による消費者センチメントの改善がやや一服した可能性がありそうです。


今後発表される主な経済指標

3月2日 2月 ISM製造業景況感指数 市場予想 53.0 前月 53.5

3月2日にISM製造業景況感指数が発表されます。同指数は11月、12月、1月と足元まで3ヵ月連続で悪化しています。

さらに2月分についても先に発表された先行指標であるシカゴ購買部協会景気指数や、各地区連銀の発表した製造業景況感指数がいずれも前月から悪化したことから、ISM製造業指数もさらに悪化することが予想されています。


マーケットビュー
―上値の重い局面継続か―

先週のマーケットビューでは、短期的にやや過熱感があり、買い急ぐ局面ではないと記しました。ダウ平均やS&P500は一時史上最高値を更新したものの、結局週間では小幅な下落となりました。
先週発表された経済指標も中古住宅販売件数やカンファレンスボード消費者信頼感指数など、冴えない内容が目立ちました。もちろん米国経済全体としては個人消費を中心に堅調に推移していると考えられますが、企業の景況感は足元で伸びが鈍化し、住宅市場も停滞が続いています。
こうした状況のなか、米国株が高値追いを続けることは考えにくく、当面は上値の重い局面が継続するのではないかと考えています。

フィナンシャル・インテリジェンス部 益嶋 裕

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