本記事はマネックス証券の米国株 MARKET PICK UP/中国株 MARKET PICK UPを転載したものです。本資料のご利用については、必ず記事末の「ご留意いただきたい事項」をお読みください。当該情報に基づく損害について株式会社日本ビジネスプレスは一切の責任を負いません。

先週の中国株式市場
―香港株 小幅ながら続伸 国の年金保険基金の運用改革観測を好感―


<先週の概況>

先週の中国株式市場は上昇しました。ハンセン指数は約0.6%上昇し、2万7,992ポイントで終了しています。また、上海総合指数は8.1%の上げとなり、4,657ポイントと続伸しました。

好悪材料が混じる中、先週のハンセン指数は一進一退の展開となりました。「深港通」が発表されなかったことやHSBC中国製造業PMIが予想に届かなかったことが相場の重荷となった一方、国の年金保険基金の運用改革が6月末までに発表される観測が好感され、22日には大幅反発しました。


中国株式市場バリュエーション




業種別リターン



香港ハンセン指数採用銘柄 週間騰落率ランキング



<上昇>

国務院の「2015年の経済改革深化のための重点項目に関する意見」を受けて、香港マーケットでは金融関連の株が賑わっています。中国平安保険(ピンアン・インシュアランス、2318)をはじめ、中国工商銀行(1398)や、中国建設銀行(チャイナ・コンストラクション・バンク、0939)、中国人寿保険(チャイナライフインシュアランス、2628)などが揃って大幅に上昇しました。また、アリババの通販サイト「天猫(Tモール)」と販売業務などで提携すると伝わった百麗国際控股(ベル・インターナショナル・ホールディングス、繊維・アパレル、1880)が週間で10%超値上がりしました。さらに、中国銀行(香港)(バンク・オブ・チャイナ・ホンコン、商業銀行、2388)が「中国銀行の東南アジア諸国連合(ASEAN)事業を中国銀行香港に集約することを検討している」と発表したことが好感され、大幅な事業拡大を期待する買いが集まり、2002年7月の香港上場以来の高値を更新しました。

<下落>

サービス料金の値下げを巡る改革による減益懸念が燻る中、最大手の中国移動(チャイナ・モバイル、0941)と中国聯通(チャイナ・ユニコム、0762)がともに週間で約3%下げました。また、1-3月期の減益決算発表を受け、大手証券会社が今年のパソコンの個人需要について慎重な見方を示したことが伝わり、中国パソコン大手のレノボ・グループ(聯想集団)は週間で4%余り安くなりました。さらに、値嵩の騰訊(テンセント・ホールディングス、インターネットソフト、0700)も軟調に推移し、週間で2%余り下落しました。

先週発表された主な経済指標

5月21日 HSBC中国製造業PMI 5月 49.1 市場予想 49.3 前月 48.9

5月のHSBC中国製造業購買担当者景気指数(PMI)速報値は49.1と、市場予想の49.3を下回ったものの、前月の48.9から若干改善しました。俯瞰してみると、市場予想に届かず、好不況の分かれ目である50を下回ったことは製造業の景気がまだ厳しい状況が継続するといえますが、前月よりわずかながら改善があったことは5月上旬に行なわれた一段の悪化を食い止めるための利下げがある程度功を奏したと考えられます。

内訳をみると、生産を除く新規受注や雇用などが改善しました。なかでも、雇用(47.8→49)、海外新規受注(48.7→49.1)は改善した一方、生産指数が50.0から48.4に低下し、今年に入って初めて景気判断の分かれ目となる50を下回りました。


今後発表される主な経済指標

特に重要な経済指標の発表はありません。

マーケットビュー
―ハンセン指数、ファンドの規制緩和で買い先行か 小売関連の企業決算に注目―

先週の香港市場ではハンセン指数が1週間で0.6%高と続伸しました。期待が高い「深港通」(深センと香港の株式市場の相互乗り入れ)が発表されなかったことで失望売りが先行したものの、中国の景気刺激策や追加金融緩和への期待が相場を支えたことから、週前半は一進一退の展開となりました。また、21日はHSBC中国製造業PMIが市場予想を下回ったことで続落しましたが、22日に国務院が承認した国の年金保険基金(養老保険基金)の運用制度改革が6月末までに発表される可能性があるとの見方が広がり、ハンセン指数は470ポイント高近く上昇しました。

今週は、ハンセン指数が金曜日に一気に25日移動平均線を突破し調整一巡感や先高期待が強まるなか、上昇してのスタートが予想されます。注目に値するのが、先週金曜日の引け後に中国と香港の証券監督当局が、7月1日から中国本土と香港の証券投資ファンドの相互販売を解禁すると正式に発表したことです。解禁後は、中国本土の投資家が香港のファンドを、香港の投資家が中国本土のファンド(限度額は各3,000億元(約6兆円)に設定されている)をそれぞれ購入できるようになります。また、先週相次いだ政策面での支援材料(「2015年の経済改革深化のための重点項目に関する意見」や「中国製造2025」、国の年金保険基金の運用改革など)に加え、IPO申請の資金の拘束が徐々に解放されることも引き続き好感されそうです。

企業決算では、来週の26日には小売の大手2社である百麗国際控股(ベル・インターナショナル・ホールディングス、1880)と康師傅控股(ティンイー、0322)の第1四半期業績発表が予定され、注目されます。なお、仏誕節のため、25日は香港マーケットが休場となります。

フィナンシャル・インテリジェンス部 林 宇川(Tony Lin)

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