本当は「プリン体ゼロ」ではやっていけない人の体

誤解だらけのプリン体と痛風(前篇)

2015.02.13(Fri) 漆原 次郎
筆者プロフィール&コラム概要

 「火箸を突き刺して、ぐりぐりと掻き回したよう」

 「五寸釘が2本、クロスするように足首に刺さっているよう」

 「心臓が動いて血液が送り出される度に痛い」

 痛風がどのくらい痛いのかを、人々はこのように表現する。これだけ凄まじいと、“怖いもの感じたさ”に一度だけ経験してみたいと思う人もいるかもしれない。だが、痛風に一度なってしまったら完治は難しいと言われる。やっぱりできるならば、そんな激痛とは無縁の一生を送りたいところだ。すでに痛風になっている人も、できるならば発作を上手に避けながら生活を送りたいと願っていることだろう。

 そんな痛風をめぐって話題になるのが「プリン体」だ。一般的に、プリン体含有量の多い食べものや飲みものをとると、痛風のリスクが高まるとされている。そこで、近年は「プリン体ゼロ」を謳った発泡酒も売られている。

 菓子の“プリン”でないことぐらい分かる。痛風となにかしら関係しているのも分かる。だが、プリン体とはどのような物質であり、「プリン体ゼロ」の飲料を飲むことにどのような意味があるのか、理解がいまひとつという人も少なからずいるのではないか。

 そこで今回は、プリン体の研究者を訪ねた。帝京大学薬学部教授の金子希代子氏は、プリン体が体の中でどのように変化するか、代謝の仕方などを研究している。数々の食品や酒のプリン体含有量を調査・測定し、一覧表として人々に認知させるといった社会的な取り組みもしてきた。

 前篇では金子氏に、プリン体の正体や痛風との関わりなどを聞く。後篇では、具体的な飲み物や食べ物のプリン体含有量などを取り上げながら、具体的な痛風対策について話を聞く予定だ。

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1975年生まれ。神奈川県出身。出版社で8年にわたり理工書の編集をしたあと、フリーランス記者に。科学誌や経済誌などに、医学・医療分野を含む科学技術関連の記事を寄稿。日本科学技術ジャーナリスト会議理事。著書に『日産 驚異の会議』(東洋経済新報社)、『原発と次世代エネルギーの未来がわかる本』(洋泉社)、『模倣品対策の新時代』(発明協会)など。


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