本当は「プリン体ゼロ」ではやっていけない人の体

誤解だらけのプリン体と痛風(前篇)

2015.02.13(Fri) 漆原 次郎
筆者プロフィール&コラム概要

プリン体は本来、体になくてはならぬ物質

――痛風の原因としてよく「プリン体」という物質の名前を聞きます。プリン体とはどのような物質でしょうか?

金子希代子教授(以下、敬称略) プリン骨格という構造をもっている物質のことをプリン体と呼びます。「プリン骨格」は、5個の原子が環になった五員環と、6個の原子が環になった六員環が組み合わさったような構造をしています。

 本来、プリン体は私たちの体にとって必要な物質なのです。例えば、体の設計図とも言われるDNA(デオキシリボ核酸)や、体内のエネルギーの貯蔵、供給、運搬に関わるATP(アデノシン三リン酸)といった物質は体に欠かせませんが、これらもプリン体の一種なのです。体の中でもプリン体は作られています。

――体で作られる他に、食事でも我々はプリン体を摂取しているわけですね。

金子 そうです。水だけ飲んでいても何日かは生きていけますが、なにか食べないとやせ細っていきます。健康に生きるためには、外から食べものを摂らなければなりません。食べものにもプリン体が含まれているので、体の外からもプリン体を得ていることになります。

金子希代子氏。帝京大学薬学部医薬化学講座臨床分析学研究室教授。博士(薬学)。東京大学大学院薬学系研究科生命薬学(薬品代謝化学)修士課程修了後、帝京大学医学部第二内科学教室助手に。同学部講師を経て、2003年に帝京大学薬学部に移籍、2006年4月教授に。2012年4月より現職。専門分野は分析化学で、機器分析を用いたプリン代謝研究や、尿路結石の生成機序に関する研究をしている。日本痛風・核酸代謝学会ガイドライン改訂委員会の「高尿酸血症・痛風のガイドライン(第2版)」(2012年追補)では、改訂委員をつとめる。2008年、日本痛風・核酸代謝学会賞受賞。2009年、日本尿路結石症学会奨励賞受賞。
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1975年生まれ。神奈川県出身。出版社で8年にわたり理工書の編集をしたあと、フリーランス記者に。科学誌や経済誌などに、医学・医療分野を含む科学技術関連の記事を寄稿。日本科学技術ジャーナリスト会議理事。著書に『日産 驚異の会議』(東洋経済新報社)、『原発と次世代エネルギーの未来がわかる本』(洋泉社)、『模倣品対策の新時代』(発明協会)など。


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