営業の世界は現実期には泥臭く、ある程度は気合と根性が必要です。しかし、成長するためには気合と根性だけではダメです。ちょっとした科学的マネジメントを取り入れるだけで、気合と根性に大きな武器が加わるのです。

 今回の投稿では、そのちょっとしたマネジメントの工夫として、2つのマネジメント手法について解説します。

「受注管理」から「見込管理」へ

 営業の仕事の大きな醍醐味の1つに、受注した際に「あいつ、大型商談を受注したらしいよ。さすがやる時はやるな」と称賛を受けることが挙げられます。しかも、企業や部門の計画実達予想を覆すような受注だったりすると、その賛辞は大きなものになり、担当営業はまさにヒーローになります。

 こういう社風が残っている企業では、営業マンは自分の商談状況を極力隠そうとします。最低限の“固い”案件だけを通常の営業会議で報告し、確実性の低い“柔らかい”案件は隠そうとします。

 一発逆転の大型案件などはもっての他です。営業人生での最大の賛辞を得られるチャンスなのです。あらかじめ報告してしまうと賛辞の大きさが軽減されてしまいます。一発逆転するからこそヒーローになれるのです。

 しかし、これは本当に企業にとってあるべき姿でしょうか。

 企業は常に先を予想して事前に対策を練っておく必要があります。一般消費者向けの商品を製造している企業では、景気動向や、市場のトレンド情報、気候情報など、様々な情報から受注予想をたてて、事前に対策案を練っています。

 法人営業を主とする企業、そしてその営業現場においても同様の必要性があります。先月の営業結果を分析して成果を称えたり、反省したりすることはもちろん重要です。