本記事はマネックス証券の米国株 MARKET PICK UP/中国株 MARKET PICK UPを転載したものです。本資料のご利用については、必ず記事末の「ご留意いただきたい事項」をお読みください。当該情報に基づく損害について株式会社日本ビジネスプレスは一切の責任を負いません。

先週の中国株式市場
―5連騰!ハンセン指数、冴えない経済指標も「滬港通」を迎えて底堅く反発―


<先週の概況>

先週の中国株式市場は上昇しました。ハンセン指数は前週比約2%超上昇し、2万4,087ポイントで引けました。また、上海総合指数は週間ベースで60ポイント高の2,478ポイントとなっています。

先週のハンセン指数は、中国のマクロ経済指標が総じて軟調だったものの、11月17日に開始する「滬港通」香港と上海相互取引への期待が高まり買い優勢となり、5日続伸して心理的な節目である2万4,000ポイントを回復しました。


中国株式市場バリュエーション




業種別リターン



香港ハンセン指数採用銘柄 週間騰落率ランキング



<上昇>

香港ハンセン指数構成銘柄のうち37銘柄が上昇し、13銘柄が下落しました。米ワーナー・ミュージック・グループと音楽配信で提携した中国インターネット大手の騰訊HD(テンセント)が7%超上昇し、1銘柄で指数を150ポイント超押し上げました。また、銀河娯楽集団(ギャラクシー・エンターテインメント)などのマカオカジノ株も買われました。

<下落>

一方、国際原油価格の下落で、中国天然ガス販売の昆侖能源(クンルン・エナジー)、中国石油天然気(ペトロチャイナ)、中国海洋石油等の石油関連株が売られました。

先週発表された主な経済指標

11月10日 生産者物価(PPI、前年比) 10月 -2.2% 市場予想 -2.0%、前回 -1.8%

10月の中国生産者物価指数(PPI)の前年比は前月の-1.8%から-2.2%に下げ幅が拡大し、市場予想の-2.0%減より悪化しました。また、中国PPIは32か月連続でマイナスとなりました。スチールや原油などの原材料価格が軟調に推移している限り、生産者物価のデフレーションは暫く続きそうです。


11月10日 消費者物価指数(CPI、前年比) 10月 +1.6% 市場予想 +1.6%、前回 +1.6%

10月の消費者物価指数(CPI)の前年比は 1.6%の上昇と、9 月から横ばいとなり、2010年1月以来最低の水準に留まりました。食料CPIについて、前年比が2.5%の上昇となり、特に果物(15.2%増)と卵(16.4%増)の上昇が目立った一方、野菜(7.2%減)が続落しました。食料除くCPIについては、前年比が1.2%の上昇となり、通信費(3.5%減)や車用燃料(4.9%減)などの値下がりが物価の上昇を抑えていることがわかりました。



11月13日 固定資産投資(前年比) 10月 +15.9% 市場予想 +16.0%、前回 +16.1%

10月の固定資産投資額は前年同期比15.9%増と、市場予想に届かず、前回の16.1%増から伸びが低下しました。内訳をみると、鉄道投資や建設投資が堅調に加速したものの、不動産開発投資は対照的に減速が続きました



11月13日 鉱工業生産(前年比) 10月 +7.7% 市場予想 +8.0%、前回 +8.0%

10月の鉱工業生産は前年比7.7%増と、9月の8.0%増から低下し、市場予想に届きませんでした。これは中国国内の生産需給の弱含み傾向を示しています。



11月14日 マネーサプライM2(前年比) 10月 +12.6% 市場予想 +12.9%、前回 +12.9%

10月のマネーサプライM2は前年同期比12.6%増と、12.9%増の市場予想を下回りました。また、10月の新規人民元建て融資は5483億元と、6264億元の市場予想を大きく下回りました。さらに、総資金調達額(中国元)は6627億元増と、前月から大きく減少しました。全体的に見ると、クレジットの供給は減少傾向が出てきたようです。



今後発表される主な経済指標

11月19日 HSBC中国製造業PMI 11月 市場予想 50.2 前月 50.4

11月のHSBC中国製造業購買担当者景気指数(PMI)速報値が日本時間19日10時45分頃発表される予定です。

10月分のPMI速報値は香港株式市場が大きく下落するきっかけとなっただけに、11月分の発表にも大きな注目が集まります。

11月のHSBC中国製造業PMIは50.2が予想されています。



マーケットビュー

―Launch! 香港と上海の相互取引開始、HSBC中国製造業PMIに注目―

先週のハンセン指数は週間で2%上昇しました。特に欧州圏及びドイツの経済指標が総じて堅調だったことや、日米の株高や、「滬港通」という香港と上海の相互取引への期待などが買い材料となり、5日連続で上昇し、心理的な節目の2万4,000ポイントを回復しました。

テクニカル面では、先週ハンセン指数は一気に100日の移動平均線を上回りましたが、75日の移動平均線を突発できませんでした。また、ボリンジャーバンドのチャートをみると、ハンセン指数は上のバンド(+2α)を近づいており、短期的な過熱感が出てきたようです。

こうしたなか今週の香港市場は上値の重い展開が予想されます。いよいよ今週から上海・香港の株式相互取引が開始されます。しかし、中国・財政省、証券監督管理委員会によると、上海・香港の株式相互取引について、外国人が中国株式の売買によって得た利益の課税を暫定的に免除すると発表したものの、これまでの発表では具体的な課税対象が不明確で、免除期間も明確にしていないことから支援材料にはなりにくいといえます。

また、先週大きく上昇したこともあり、「Buy On Rumor, Sell On Fact (噂で買って事実で売る)」という可能性もありそうで、短期的な過熱感があるなか利益確定売りが出てきでもおかしくないと思われます。さらに、中国のファンダメンタルズ面をみると、先週発表された鉱工業生産や固定資産投資などの経済指標が総じて軟調だったことに加え、李克強首相が、2015年の中国経済について「下振れ圧力は残る」と発言するなど、マクロ面に引き続き弱さがみられることも相場の重荷となるでしょう。こうしたなかで今週の木曜日にHSBC中国製造業PMIが発表され、注目されています。

フィナンシャル・インテリジェンス部 林 宇川(Tony Lin)

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