生肉を食べるのはこんなに危険

リスクが高いのはレバ刺しだけではない

2014.08.08(Fri) 佐藤 成美
筆者プロフィール&コラム概要

 「夏になるとお客さんが増え、肉の焼き方もレアを好みますね。血が滴るような肉をにんにくと一緒に食べると元気が出ると感じるようです」と話すのは、都内で焼き肉店を家族で営む男性だ。レバ刺しでは、レバーのプリプリした柔らかさや甘さ、ハツ刺しやセンマイ(牛の第3胃)刺しでは、コリコリとした食感が人気だという。

 現在、すべての生肉が禁止になっているわけではない。「肉は火を通して食べた方がうまみが出ておいしいと思うのですが、生肉ならではの食感や脂の風味を楽しむ人が多いです。いまの肉は、屠畜の技術や管理がしっかりしているので、生臭みもなく、食べやすいのでしょう」と話す。

「新鮮だから安全」は間違い

 かつては、この焼肉店でもレバ刺しやセンマイ刺しを出していた。だが、食中毒事件などをきっかけにリスクのある生ものメニューはやめてしまった。その頃から、レバーの表面にアルコールを吹きかければいいとか、アルカリ性や酸性の電解水で肉を洗えば安全などの話が飛び交ったというが、「そんなことで、病原性大腸菌などの汚染がなくなるとは思えなかった」。

 牛レバ刺しが禁止になってだいぶ経つのにいまだに「レバ刺しはないのか」と尋ねるお客さんがいるという。

 “新鮮だから安全”“信用できるお店ならレバーや豚肉を生で食べても大丈夫”と考えている人がいるかもしれないが、それは間違いだ。いまはもうレバーや豚肉を生で提供する店はないはずだし、新鮮だから寄生虫や細菌がいないわけではない。前述の男性も「むしろ新鮮な方が寄生虫がたくさんいそうで怖い」と話す。

 バーべキューで生焼けの肉を食べたり、生肉をつかんだトングから食べ物が汚染して食中毒になることもある。特に子どもや高齢者は重症になりやすいので気をつけたい。肉を食べてスタミナをつけるつもりが、食中毒になっては元も子もない。生肉には用心して接することを心がけたい。

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サイエンスライター、明治学院大学非常勤講師(生物学)、農学博士。食品会社の研究員、大学の研究員、教員などを経て現在に至る。研究所の広報誌やサイトなどにも原稿を執筆している。著書に『「おいしさ」の科学』(講談社ブルーバックス)『お酒の科学』(日刊工業新聞社)など多数。


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