また、転職には時間がかかる。本気で考え始めてから、転職先が決まるまで、半年くらいかかると思って、焦らないことが肝要だ。

 多くの人が気になる英語についてだが、必要となる英語のレベルは会社、職種によってかなり異なる。少なくとも、英語で面接されても、受け答えができることは必要だろう。

 英語と同じくらい大切なのが国際的な環境の中でも仕事ができる柔軟性。やはり、学生時代に交換留学しておくとか、海外駐在として日本以外の文化の下で働くとか、国際的な経験はしておいた方がいい。

 外資系では、即戦力に加えて、高い潜在力を備えた将来性を重視することも多い。そうした人材は日本に多くいるのだが、ジョブマーケットに出てこないので、コンタクトしようがない。

 そのため、エージェントと連絡を取っている外資系で働いている人を取り合うことのなってしまう。採用する側からは、「みんな出てこい」と言いたくなるほど、潜在的需要は高いのだ。

やりたいことを見つければ答えはそこにある

 新卒採用については、学生は社会人と違って、オープンに思っていることが言えて、口コミ情報が豊富。外資系に興味があれば、そうしたサークルなどに参加して、外資系に興味のある仲間を持つことで、自ずと情報は入ってくる。

 ちなみに、新卒を採用している多くの外資系は毎秋ボストンで開催される「Boston Career Forum」(参考記事「ますますガラパゴス化する日本の採用制度~ボストンキャリアフォーラム主催者が語る激変する人材市場」)に出展しているので、参加企業を見ればどこで募集があるか察しがつく。あとは、興味のある企業のホームページを見れば新卒採用の募集内容が分かる。

 また、就職活動の前にインターンをしておくこともいいだろう。これは、「外資就活ドットコム」などに募集が掲載されている。外資系の新卒採用は募集人数が限られているので、就職活動を外資系だけに絞ってしまうのはリスクがあるが、将来のためにも興味があれば活動することはとてもいいことだろう。

 最後に、転職、就職はとても大きな決断。今の職場が嫌だからという動機では、転職後もうまくいかないことが多い。ネガティブな動機からは、ポジティブな結果は出てこない。

 自分が何をしたいのかが分かれば、自ずとその分野の能力を身につけようとするだろうし、自分にあった職場も選べるだろう。

 外資系就職の傾向と対策を立てて入社する人より、自分が進みたい方向に向かって努力した結果、魅力的な人材となった人の方が多い。自分が何をしたいかという問いに答えられれば、ゴールはすぐそこだ。