同じ紹介業でも、人材紹介が不動産と異なるのは、求人がオープンのデータベースで公開されることはなく、情報はエージェント間に分散されていることだ。

 求人を依頼する企業は通常数社のエージェントに人材紹介を依頼するので、その会社の求人を知っているのは、数社に限られることが多い。そのため、仕事を探す時には複数のエージェントに声をかけた方がいい。

 転職する、しないにかかわらず、自分の市場価値を把握するためにも、エージェントに登録して、定期的に自分に合う仕事があるかチェックすることは悪くない。

 エージェントはウェブで検索すればいくらでも出てくるが、外資系企業は外資系のエージェントを使うことが多いので、「executive search」などで検索するといいだろう。ちなみに、検索で上位に表示されるエージェントが必ずしも業界大手ということではないので、中身を見てコンタクト先を決めるといい。

経験のために転職活動をしてみるのも1つの手

 エージェントは就職先を見つけるのが仕事であるため、きっと候補をいくつか探してくれるだろう。自分が外資系のどのようなポジションにフィットするのかが分かってくるはずだ。では、採用されるためには何が必要となるのか。日系、外資系にかかわらず、能力、経験、やる気が採用されるための3大要素。

 そうしたなか、外資系は即戦力を求めているので、まずは、仕事ができることをアピールしなくてはならない。最初に、履歴書での書類審査をパスする必要がある。

 経歴に役職名だけを列記するのではなく、それぞれの仕事で何をなし遂げたのか、どのような役割をしたのかを簡潔にまとめて、会ってみようと思わせること。書類審査を通過すると、インタビューがセットされる。

 インタビューでは、業務能力、リーダーシップやチームワーク、動機づけ、カルチャーフィットなどが試される。典型的な質問は「job interview question」などで検索すれば見つかる。

 その際、これまで自分が何を目指して何をしてきたのか、これから何をしたいのかというストーリーは用意しておく。自分の考えを持っていなければ、あなたの魅力は間違いなく落ちてしまう。

 実際のことは経験しなくては分からないので、エージェントから紹介されたら、ためしにインタビューを受けてみるのは今後の役に立つ。