後を絶たない健康食品の被害、
消費者庁が管理強化へ

機能性表示は解禁へ、しかし課題は山積

2014.05.02(Fri) 白田 茜
筆者プロフィール&コラム概要

 日常生活に浸透している健康食品。いまや、約6割の消費者が健康食品を利用しており、50代以上の約3割がほぼ毎日利用しているという。

 そうした中で、消費者庁は、健康食品の機能性表示を解禁するとともに、企業に健康食品の被害を報告する制度を導入する方針だという。これまで企業から直接、消費者庁に被害を報告する仕組みはなかった。背景には何があるのか。新制度の導入とともに、私たちがこれから健康食品とどうつきあっていくべきか、考え直してみたい。

義務づけの背景には多発する健康被害

 健康食品の被害報告制度を導入する方針が明らかにされたのは、2014年4月4日に消費者庁が開催した「食品の新たな機能性表示制度に関する検討会」第4回会合。いまのところ報告の義務化は決定されてはいないが、何らかの強制力を持たせる方針だ。

 今回、企業に報告を義務づけようとする背景には、食品の機能表示の解禁がある。「お腹の調子を整える」など機能表示は、「特定保健用食品(トクホ)」と「栄養機能食品」のみに認められてきたが、それ以外の食品にも解禁しようというのだ。

 以前の記事「『怪しい』健康食品がますます増える? 消費者保護と逆行する機能表示広告の緩和」でも書いたように、機能性表示の解禁には懸念もある。健康被害が後を絶たないからだ。

 消費者庁の「事故情報データバンク」によると、健康食品の事故情報は2009年4月以降、約2700件寄せられているという。

 今回導入が検討されている被害報告制度は、企業から健康被害の報告を義務づけ、消費者庁の情報収集体制を強化しようとするものだ。

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1978年佐賀県生まれ。佐賀県庁で食品のブランド化に関わる。その後、大学院で農業政策や食品安全に関するリスクコミュニケーションを学ぶ。食品コンサルタント会社を経て、現在は社会的関心が高い科学ニュースについて専門家のコメントを収集しジャーナリストに提供する活動をしている。関心のあるテーマは、農業、食品流通、食品安全、リスクコミュニケーション。


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