後を絶たない健康食品の被害、
消費者庁が管理強化へ

機能性表示は解禁へ、しかし課題は山積

2014.05.02(Fri) 白田 茜
筆者プロフィール&コラム概要

求められる被害情報の一元化

 健康被害の報告制度は現行のものもある。どう変わろうとしているのだろうか。

 現在、健康食品の被害情報は、「全国消費生活情報ネットワーク・システム(PIO-NET: パイオネット)」、厚生労働省の「『いわゆる健康食品』による健康被害事例(都道府県等から報告を受けた事例)」などで公開されている。現行制度については図を参考にしてほしい。

健康食品の健康被害に関する消費者からの情報収集・流通防止スキーム。点線は消費者庁が被害情報を収集する範囲
(資料出典:消費者庁、厚生労働省「食品の新たな機能性表示制度における安全性の確保について(日本の現行制度)」)
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 現在、消費者から健康被害の情報が寄せられているのは、消費生活センター、保健所、健康食品メーカーなどの事業者だ。消費者の健康被害については吐き気などの症状があり、医療機関を受診することもある。

 しかし、全国の消費生活センターに寄せられている被害情報は、商品名や企業名などが伏せられており情報が不十分だ。また、「第4回食品の新たな機能性表示制度に関する検討会」の資料によると、各都道府県にある保健所からは消費者庁に健康被害の情報がほとんど報告されていないのが実態だという。

 厚生労働省や関係省庁と消費者庁は情報交換を行っているが、どこまで情報が共有できているかは不明だ。健康食品メーカーなどの事業者は保健所に報告の義務があるが、消費者庁へ報告の義務はない。

 そこで、図のように、消費者庁に情報を集約する体制をつくろうというのだ。消費生活センターからは、商品名など銘柄を明らかにして消費者庁へ報告を徹底する。厚生労働省と消費者庁の情報共有も強化するという。保健所からの報告も徹底する。そして、新たに健康食品メーカーなど事業者からも報告を受けるようにするという。この体制の変更で、より早く正確な被害状況を把握し、消費者に注意喚起できることが期待されている。

対応方針の全体イメージ
(出典:消費者庁、厚生労働省「食品の新たな機能性表示制度における安全性の確保について(対応方針(案)」)
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1978年佐賀県生まれ。佐賀県庁で食品のブランド化に関わる。その後、大学院で農業政策や食品安全に関するリスクコミュニケーションを学ぶ。食品コンサルタント会社を経て、現在は社会的関心が高い科学ニュースについて専門家のコメントを収集しジャーナリストに提供する活動をしている。関心のあるテーマは、農業、食品流通、食品安全、リスクコミュニケーション。


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