後を絶たない健康食品の被害、
消費者庁が管理強化へ

機能性表示は解禁へ、しかし課題は山積

2014.05.02(Fri) 白田 茜
筆者プロフィール&コラム概要

 健康食品メーカーとしても効果・効能を消費者に訴えたい。しかし、健康食品は薬でないため、機能性をうたえば薬事法違反になる。法制度と実態が大きく乖離している中、消費者は著名人の体験談や口コミなどで、「効きそう」な健康食品を自己判断で選んでいるというのが実態だろう。

 米国では、上述したDSHEA法で、国に届け出れば企業が自らの責任で効果などを表示することができる。同時に「この表示は国によって評価されたものではありません」という断り書きを入れなければならない。このような一文を入れることで、成分の機能性を表示できるという。

 日本でも、このような打ち消し表示が導入されるかどうかは不明だ。日本でこのような表示が導入されたら、消費者はどう思うのだろうか。消費者庁が2014年4月に発表した「食品の機能性表示に関する消費者意向等調査結果」によると、米国のように「この表示は、国によって評価されたものではありません」と表示されていた場合、「企業の自己責任で製造・販売される製品である」「医薬品と区別がつけられる」「他の食品に比べて消費者の判断力が問われる」いずれについても「とても思う」「そう思う」と答えた人の割合は、合わせて6~7割程度だった。

 また、機能性表示が解禁された場合、「企業の自己責任で製造・販売される製品である表示」が「必要」「ある程度必要」と回答した人は7割以上だった。「トクホや栄養機能食品と区別がつけられる表示」については約8割、さらに「試験などで安全性が確かめられていることの表示」については8割以上が「必要」「ある程度必要」だった。

 「健康食品に機能性を表示する際に最低限必要な試験」についての質問では、ある食品を摂取した時の健康状態について調べる「ヒト対象試験」を挙げた回答が全体の6割以上だった。消費者は客観的な科学的根拠を求めているのだ。

健康食品の機能性表示に山積する課題

 食品の機能性表示解禁には課題が山積している。

 1つには、どこまでの科学的根拠を求めるかということだ。消費者庁の「食品の新たな機能性表示制度に関する検討会」では、安全性から機能性への議論にシフトしつつある。現在、機能性の評価については、国と事業者で意見が食い違っている模様だ。

 国は「トクホ並み」の基準を求めているのに対し、事業者からは反発の声が上がっている。トクホ並みの機能性を証明するためには、長い時間と高い費用がかかる。その上、複数の成分が組み合わされている健康食品は、トクホのように単一の成分が健康にどのように影響しているかを証明するのは困難だからだ。

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1978年佐賀県生まれ。佐賀県庁で食品のブランド化に関わる。その後、大学院で農業政策や食品安全に関するリスクコミュニケーションを学ぶ。食品コンサルタント会社を経て、現在は社会的関心が高い科学ニュースについて専門家のコメントを収集しジャーナリストに提供する活動をしている。関心のあるテーマは、農業、食品流通、食品安全、リスクコミュニケーション。


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