後を絶たない健康食品の被害、
消費者庁が管理強化へ

機能性表示は解禁へ、しかし課題は山積

2014.05.02(Fri) 白田 茜
筆者プロフィール&コラム概要

食品と健康被害との因果関係を証明する難しさ

 しかし、このように情報を収集するだけでは不十分だ。健康被害の原因になった食品を特定するためには、「ある食品を食べたことで健康被害が起きた」という因果関係を証明しなければならない。

 人によっては、アレルギーを起こしやすい体質があり、一概に健康食品が原因と考えにくい場合もある。特定の成分を過剰に摂取してしまうと副作用が出てしまうこともある。これは摂取の仕方が問題で、健康食品が原因とは言えない。

 実際、消費者庁も、食品と健康被害の因果関係を証明する難しさをこう述べている。

 「医療関係者等を介さずに寄せられる危害情報等は、件数は多いものの消費者の自己評価であることから、当該食品と健康被害の因果関係を特定するという面においては、その質が不十分であり、被害情報の質・量が不十分」

 米国でも、同じく因果関係の証明が課題になっている。米国では「栄養補助食品健康教育法(DSHEA)」で、サプリメントを販売する事業者に対し、15営業日内に連邦食品医薬品局(FDA)に健康被害を報告することが義務づけられている。2008年から2011年の間に、FDAに報告されたサプリメント被害の情報は6307件。そのうち 71%が企業からの報告だった。しかし、限られた情報だったり、複数の報告間で情報が不一致であることから、健康被害の情報とサプリメントとの間に確かな因果関係が認められたのはわずか3%(217件)だった。

「どう効くか」を知りたい消費者

 安全性はもちろんのこと、消費者が健康食品に関して望んでいるのは「どう効くか」という情報だ。内閣府消費者委員会が発表した「消費者の『健康食品』の利用に関する実態調査」によると、「(健康商品を)購入する時に参考にしている情報(複数回答)」は、「機能性(効果・効能)」が最多で63%だった。ついで「含有成分名・含有成分量」(61%)、「原材料名」(55%)だった。

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1978年佐賀県生まれ。佐賀県庁で食品のブランド化に関わる。その後、大学院で農業政策や食品安全に関するリスクコミュニケーションを学ぶ。食品コンサルタント会社を経て、現在は社会的関心が高い科学ニュースについて専門家のコメントを収集しジャーナリストに提供する活動をしている。関心のあるテーマは、農業、食品流通、食品安全、リスクコミュニケーション。


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