全国初、再生可能エネルギー導入を条例化した飯田市

市民と行政が協働、「エコ」を事業化して持続可能なまちづくりに取り組む

2014.02.24(月) 大和田 一紘
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長野県飯田市は、県の南部南信州にある。天竜川地域の自然豊かな都市で、安土桃山時代以来の古い歴史を持ち、碁盤の目のような美しい街並みや点在する史跡・社寺などから江戸時代には小京都と呼ばれていた。

 また、古来交通のハブであり、生糸・和紙・漆器などの地場産業が発達し、三河や遠州との交易玄関口であった。戦後は精密電子工業が集積し、農工商のバランスの取れた田園都市となった。

 気象条件にも恵まれ、真冬日になることも少なく日照時間が長い。古くから独自の生活文化圏を形成し、人口は10万4462人(2012年3月)と、多くの地方都市と異なり人口減少も最小限にとどまっている。

全国屈指のエコタウン

 そんな飯田市では、全国に先駆けて再生可能エネルギーを生かしたまちづくりに長年取り組んでいる。昨年3月には全国で初めて本格的な再生可能エネルギー導入条例である「飯田市再生可能エネルギーの導入による持続可能な地域づくりに関する条例」を制定した。

 太陽や森、水といった自然資源に恵まれている飯田市ならではとも言えるが、この条例ではまちづくり委員会や地縁団体等が地元の自然資源を使って発電事業を行い、全量固定価格買取制度(FIT)で得た売電収益を、主に地域が抱える課題に使うことで市民主導の地域づくりを進めていくのを市が支援することを主眼としている。

 また条例の中では地域環境権が掲げられ、「再エネ資源は市民の総有財産でありそこから生まれるエネルギーは、市民が優先的に活用でき、自ら地域づくりをしていく権利がある」と謳われ、市民による再エネ事業を公民協働事業に位置づけて、市が事業の信用補完や基金無利子融資、助言等の支援を行うこととなっている。

 このような市民と行政が一体となった取り組みが活発なのは、古来大火や水害に見舞われながらも支え合ってきた「結い」による協働性や地域の誇り、自治の精神などが背景にある。

 1996年には「21世紀飯田環境プラン」が策定され、2007年には第5次基本構想で「環境文化都市宣言」を提唱し、2009年には国から環境モデル都市の指定を受けるなど(その他北九州市、富山市など全国で13都市)、長年の取り組みが先述した条例に結実しているとも言える。


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大和田 一紘 Ikko Owada

 

1943年、青森県弘前市生まれ。東京学芸大学大学院教育学研究科修了。

東京都自然環境保全審議会委員を6期12年、東京都環境科学研究所研究員、中央大学社会科学研究所客員研究員、埼玉大学と法政大学講師などを歴任。

市民向け財政講座の講師を20年、市民による財政白書づくりの火付け役として10年、最近は「地方財政分析達人」(朝日新聞)としてマスコミにも注目を浴びる。都留文科大学講師、NPO法人多摩住民自治研究所副理事長。

専門は環境教育、環境政策、まちづくり論、地方自治、地方財政。そのかたわら1992年以来、国際ボランティア活動として毎年ネパールに滞在し、環境NGOの自立をサポートするためにリーダーズ・ネパールの代理人を務めている。

地方を元気に

地方が元気になってこそ、日本の活力は向上する。独自の手法でまちおこしや市街地活性化に挑む地方自治体、そして地元に根ざした活動で地域力向上に貢献する企業がある。全国のダイナミックな動きを現場から伝える。

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