12月12日、関西独立リーグに所属する全3球団が脱退し、事実上、関西独立リーグは消滅した。関西独立リーグは国内で3番目のプロ野球独立リーグだった。

リーグ消滅の原因は、チームの1つ「兵庫ブルーサンダーズ」が芦屋学園(兵庫県芦屋市)と提携したことを巡ってリーグ内で対立が起きたことだと伝えられている。

 ブルーサンダーズと芦屋学園の提携内容は画期的なものだった。芦屋学園は中学校・高校に硬式野球部を創設し、将来プロ野球選手になりたいと考える中高生を迎え入れ、部員を「兵庫ブルーサンダーズ育成軍」(ポジションとしては3軍に相当する)として育成するという。

 芦屋学園高校の硬式野球部は、日本高等学校野球連盟(高野連)に所属していない。そのため甲子園には出場できないが、高野連のルールに従わなくてもいい。プロ野球出身者から直接指導が受けられるし、高校3年生にならなくてもドラフト指名が受けられるのだ。

 前回はブルーサンダーズの球団代表、高下沢(こうげ・たく)に提携の狙いを聞いた。今回は芦屋学園に話を聞いてみる。なぜ、それほどスポーツに力を入れるのか。そして、なぜそんな“イレギュラー”な野球部を創設するのだろうか。

野球教室? ブルーサンダーズ育成軍のワークアウト

 11月10日、芦屋学園と兵庫ブルーサンダーズの育成軍のワークアウト(練習会)が行われた。当初は宝塚の屋外球場で行われる予定だったが、雨のため急遽神戸市内の屋内施設を借りての実施になった。

 参加した子供は、全部で18名、ちらっと名簿を盗み見すると兵庫県内からの参加がほとんどのように見えた。子供についてきている父兄は意外に少ない。