「小麦粉の芸術作品」、うどんの食感を科学する

うどんの味を追究せよ!(後篇)

2012.11.30(Fri) 漆原 次郎
筆者プロフィール&コラム概要

 いまやうどんの“日本代表”と化した讃岐うどん。地元の香川県は2011年に「うどん県」への“改名”を発表し、「うどん県」は今年の新語・流行語大賞にもノミネートされている。

 ここまで讃岐うどんが有名になったのは、商品戦略が功を奏したという側面もあるだろう。しかし、それを請け合う「味」がなければ、ここまで日本全国に讃岐うどんが浸透することはなかったのではないか。

 そこで、「讃岐うどんの味はどのようにつくられるのか」をテーマに、その歴史と科学を前後篇で追っている。

前篇では、讃岐うどんの歴史を見てきた。この地方には、夏と冬と春秋で、小麦粉を練るときの塩分量を変える「土三寒六常五杯(どさんかんろくじょうごはい)」という格言がある。うどんをつくる人々は経験的に美味しいうどんづくりのコツを知っていたのだ。

 後篇では、うどんづくりの科学を追究してきた人物に、うどんの味の真髄のありかを聞く。「大和製作所」(香川県宇多津町)社長の藤井薫さんは、うどんなどの製麺機づくり、麺の製造、うどん屋の経営、さらには「うどん学校」までを手がけてきた人物。「深く研究をすれば、次々と事実が分かってくる」と藤井さんは話す。その事実とは、いったいどのようなものだろうか。

粘り強さと硬さが合わさってコシになる

 讃岐うどんの特徴はなにか。讃岐うどんを食べたことのある人ならば「コシの強さ」と答えるだろう。香川県のサイト「麺の博物館」にも、10歳の子の「さぬきうどんの特徴は何ですか」という質問に「『こし』の強い食感が特徴です」との答えがある。どうやら、讃岐うどんの味に重要なのは、コシのようだ。

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1975年生まれ。神奈川県出身。出版社で8年にわたり理工書の編集をしたあと、フリーランス記者に。科学誌や経済誌などに、医学・医療分野を含む科学技術関連の記事を寄稿。日本科学技術ジャーナリスト会議理事。著書に『日産 驚異の会議』(東洋経済新報社)、『原発と次世代エネルギーの未来がわかる本』(洋泉社)、『模倣品対策の新時代』(発明協会)など。


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