この中で(1)「計画」と(2)「分析」に関するソフトを「上流CASE」と呼び、(3)「設計」と(4)「コード生成」に関するソフトを「下流CASE」と呼ぶ。総称して「統合CASE」と呼んでいる。
この「上流」「下流」の区分は、欧米のシステム開発では当然の考え方である。システム上流工程と言えば(1)「計画」と(2)「分析」を指し、システム下流工程と言えば(3)「設計」と(4)「コード生成」を指す。
ところが日本ではこの区分が異なっていた。日本では、(3)「設計」がシステム上流工程であり、(4)「コード生成」がシステム下流工程と呼ばれていたのだ。

実際、日本で飛ぶように売れたのは、(3)「設計」のソフトである。(1)「計画」のソフトは、全くと言っていいほど売れなかった。
これは、いかに日本のシステム開発において「計画」「分析」が軽んじられているかを意味している。欧米に比べ、ほとんどの日本の経営者は、自社のシステム開発には全くと言っていいほど関心を持たず、参画しない。つまり、「計画」が行われないままシステム開発に突入しているのに等しい。
このコラムでは、「上流工程」と「下流工程」という言葉を本来の意味で使いたい。すなわち、「計画」と「分析」がシステム上流工程、「設計」と「コード生成」がシステム下流工程ということである。
経営者の意向を最後まで反映させる
日本のシステム開発のもう1つの特徴として挙げられるのは、システム上流工程は、コンサルティング会社が独自の手法で手がけ、システム下流工程では、ソフト開発会社が独自の開発方法でプログラミングを行っていることである。
コンサルティング会社とソフト開発会社は、システム開発の考え方や手法がまったく異なっている。まるで「水と油」のようなものだ。そのため、上流工程で現場からの要望を汲み上げて要件定義を行っているにもかかわらず、下流工程で再びエンドユーザーの声を聞いて要件定義を行うことになる。エンドユーザーからすると、システムを構築するために2回も同じ作業を強いられることになる。
実は、システム開発の世界ではこれを解決するための手法が考えられている。それは「RAD(Rapid Application Development)」手法と言われるものである。完成イメージに近い画面や帳票などをなるべく早い段階で作ってしまい、それを基にして開発を進めていくことだ。
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