新・地方自治論

「市町村合併で豊かになる」という幻想

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先日、ある週刊誌で相模原市が政令市になることが酷評されていました。何のための合併なのか、合併する意味がないのではないか、というのです。

 私も同感で、「人口70万人以上」という規定をクリアーするために、なりふり構わず合併を進めたのだと思います。具体的な成長戦略があるとは感じられません。

 「平成の大合併」がほぼ一段落しましたが、人口が増えるとそれだけで豊かになると感じている人が相変わらず多いようです。今回は、市町村合併についてお話しします。

地方でどんどん大きくなる市町村

 明治維新の後、これまで3度、大きな市町村合併がありました。最初は1889年の「明治の大合併」です。次が1960年頃までに行われた「昭和の大合併」、そして最後が2010年に終える予定の「平成の大合併」です。

 明治の大合併の前の一自治体の平均規模は約500名でした。以下の表の通り、約120年かけて自治体の規模が約500人から約7万3000人まで拡大してきています。

 それぞれ小学校を持つためとか、中学校を持つためとかいろいろな理由がありましたが、平成の大合併も政府主導で、理由としては、行政能力の拡充とか、行財政改革とか、住民の生活圏を拡大するといったことが挙げられていました。

 全国的にはとても大きな制度変更だったのですが、なかなか首都圏の人たちにはこの市町村合併がピンときません。

 それもそのはずです。首都圏では市町村の財政が豊かなので、あまり合併が進まなかったからです。

 東京都に至っては、田無市と保谷市が合併してできた西東京市だけでした。以下の表の通り、合併の状況は、市町村の財政力などによって大きく左右されたのです。

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