地域振興のお手伝いや、特産品を使った商品開発のコンサルティングなどで、日本全国を飛び回っている。私が担当するコラムでは、そうやって全国を旅した中で見つけた地域色豊かなユニークな食品、食材を紹介したい。

 第1回は岡山からお届けしよう。

紅茶にはもちろんミルク

 私は紅茶をよく飲む。紅茶が好きなのは、その香りと淹れる時間が楽しいから。

蒜山(ひるぜん)ジャージー牛乳

 最近はティーバッグの種類が増え、手軽さもあってお世話になるのはもっぱらこちらの方だが、たまには優雅なティータイムとばかり、ゆっくりと時間をかけてミルクティーを入れる。

 まずはたっぷりのお湯を沸かす。ティーポットは2つ用意し、充分に温めておく。

 茶葉は1杯分(200cc)当たり3グラム。ここで「天使のわけまえ」として1杯分多く入れるのが重要なポイント。芯まで温まったポットに茶葉を入れ、沸騰したお湯をなるべく高い位置から注ぐ。

 茶葉が勢いよくジャンピングを始め、やがて落ち着いてゆっくり開くのをじっと待つ。この間、約4分。茶漉しを使って、琥珀色の紅茶をもう1つのポットに丁寧に注ぐ。これでミルクティー用紅茶の出来上がりだ。

 次なるこだわりはミルク。

 ミルクを温めた時の匂いがあまり好きではないので、あえて冷たいままを使う。昔からミルクが先か紅茶が先かと言う議論があるが、私はミルクを先にカップに入れてから、熱い紅茶を注ぐ。濃度が高いミルクに薄い濃度の紅茶を注ぎ込むと、ミルクが紅茶の中にうまく分散し、口当たりも軽くなるからだ。

 手をかけたミルクティーを一口。ミルクの甘さと紅茶の香りが心地いい。まさに至福のひとときだ。

英国王室のために品種改良

 さて、紅茶に合うミルクとして紅茶好きの間で密かに語られているのが、ジャージー牛のミルク「ジャージー牛乳」である。

 ジャージー牛とは、英仏の海峡に浮かぶ英国領「ジャージー島」が原産の小型の牛。1950年代に日本の数カ所の牧場に持ち込まれたのが、日本でのジャージー牛飼育の始まりだ。