アサヒグループホールディングス代表取締役社長 グループCEOの勝木敦志氏(撮影:宮崎訓幸)
消費者のニーズの多様化や健康志向、若年層のアルコール離れが進む中、低アルコールやノンアルコール商品を拡充・強化する「BAC(ビア・アジェイセント・カテゴリーの略=ビールの隣接領域)戦略」を打ち出しているアサヒグループホールディングス。時代の変化に対応すべく、商品戦略の見直しと同時に組織再編や人材育成、グローバル化も加速させている。果たしてアサヒグループはどこに向かおうとしているのか。代表執行役社長でグループCEOを務める勝木敦志社長にじっくりと話を聞いた。
アサヒグループのケイパビリティを生かした戦略
──勝木さんはグループ全体を俯瞰する立場ですが、改めてアサヒグループの強みや独自価値はどこにあると考えていますか。
勝木敦志氏(以下敬称略) グローバルで見たわれわれの競合メーカーはビール専業が多いのですが、アサヒグループには酒類、飲料、それに食品の事業会社もあります。つまり総合的なケイパビリティ(他社よりも優位な自社の強み)を有しているわけです。
また、近年は酒類と飲料の垣根がだんだん低くなっており、BACと呼ばれるノンアルコールや低アルコールの商品、さらにはアダルトソフトドリンク(成人向け清涼飲料)といった商品群のマーケットもグローバルで伸びており、こうした分野を強化しているわれわれも手応えを感じているところです。
資料提供:アサヒグループホールディングス
アルコール分0.00%の「アサヒゼロ」(画像提供:アサヒグループホールディングス)
──確かに、アサヒビールでは2020年からスマートドリンキング(以下スマドリ)活動にも注力し、低アルコールやノンアルコール商品を拡充してきました。






