上の図(図3-1)は「逃げ恥」の視聴率推移だが、初回10.2%からみるみる視聴率が上がり続け、最終回には20.8%にまで上昇しており、視聴率への影響は大きかった。
《恋》はBillboard Japan Hot 100総合シングルチャートで7週連続、通算11週にわたり週間1位を獲得。2017年のBillboard Japan Hot 100年間総合ソングチャートは第1位となり、星野源の代表曲となった。
■ ショート動画プラットフォームの登場
第1章でも触れた通り、TikTokが日本に上陸したことによって、ショート動画プラットフォームでフィードコンテンツを手軽に生成できるようになった。その後YouTube、Instagram、Facebook などでもショート動画に対応し、ショート動画を立ち上げると、流行りの音楽を使った「踊ってみた」「歌ってみた」「演奏してみた」動画は毎日のように見ることができるようになった。
Adoの《うっせぇわ》、SEKAI NO OWARIの《Habit》、新しい学校のリーダーズの《オトナブルー》は、TikTok上で踊ってみた動画が量産されたり、楽曲を使ったおもしろ動画=フィードコンテンツが溢れ、ミーム現象(動画や画像がネット空間で拡散される現象)でヒットしたのはみなさんもご存知だろう。
ショート動画プラットフォームでは、ユーザー全員が簡単にクリエイターになることができる。プロと遜色のないクオリティで作られる動画は、良質なフィードコンテンツとしてアーティストの音楽ヒットに大きく影響しているとも言えるだろう。
そういった動画をきっかけにプロのアーティストになった例も出てきており、ユーザーがフィードコンテンツを創作・投稿するモチベーションも今後どんどん高まっていくだろう。
<連載ラインアップ>
■第1回 あいみょんの「マリーゴールド」は、なぜ“1億回再生”を達成できたのか?
■第2回 乃紫(noa)の「全方向美少女」が押さえた“ヒットの公式”とは?
■第3回 生活者が思わず食いつく ドラマ「逃げ恥」と星野源「恋」のヒットを生んだフィードコンテンツとは?(本稿)
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