このような「フィードコンテンツ」が、コンテンツ消費のきっかけとなり、大ヒットにつながった事例として、2016年のTBSドラマ『逃げるは恥だが役に立つ』、略して「逃げ恥(にげはじ)」で起きた現象について少し解説をしたい。

「逃げ恥」と「恋ダンス」と呼ばれる「踊ってみた動画」がフィードコンテンツとして「逃げ恥」のヒット、並びに主題歌である《恋》のヒットに大きく貢献した。

 2016年10月13日、エンディングで披露されている恋ダンス映像のフルバージョンがTBSのYouTube 公式チャンネルにて期間限定で公開され、恋ダンスと第2話予告を合わせた動画の公開終了時(10月18日23:59)に再生回数約609万回を記録した。

 この再生回数は、TBS公式YouTubeチャンネル上で当時、過去最高の再生回数となった。TBSの発表によると、2016年11月29日時点でYouTubeにおける累計動画再生回数は5000万回を超え、「逃げ恥」自体を知ってもらうことに大きく貢献した。

 また、恋ダンス自体はYouTube、Twitter、InstagramといったSNS上を中心に恋ダンスを真似して踊る「踊ってみた」動画が話題となった。

 モデルプレスは、2016年10月27日17時時点でInstagram上にて「#恋ダンス」と検索すると4000件以上のユーザー投稿が見つかるブームになっていると報じ、 芸能人の踊ってみた動画がYoutubeやSNSで大量に拡散され、一般の人が「逃げ恥」のドラマや《恋》に興味を持つきっかけとなった。

 ワイズワークスプロジェクトが2016年11月14日12月13日の期間で行った調査によると、YouTube上で「恋ダンス」+「踊ってみた」のキーワードの組み合わせによる上位100位の動画合計視聴回数は約8000万回だった。いわゆる恋ダンスの「踊ってみた動画」がフィードコンテンツとしてヒットに大きく寄与した。