人口過疎地への積極出店も2000年以降進められ、2014年時点で、道内人口のカバー率を99%に高めている。自治体との連携も、2000年代半ば以降、地域密着を進める。また、2000年代の特徴的取り組みには、ポイントカードの充実とフランチャイズ統制の緩和などがある。

 仕入れに関しては、従来の海外からの独自調達も、2000年半ば以降は北海道内へと大きくシフトさせ、道内での経済循環を高めた。自社製品に使う主要な北海道産の比率は、80%以上になっている。特徴ある店内調理のホットシェフも、2000年頃までに、年間10~20店舗のペースで導入され、2007年には400店舗を超える規模に拡大している。

 外販も、2014年に物流センターを茨城県で稼働させ、翌年には販路拡大のために、東京都内に新たな営業拠点を置いている。ATMも、2003年以降本格化させた。

 このように戦略の転換には、いち早く1990年代に着手しており、2000年以降に戦略を大きく変化させた。全国のコンビニ需要が落ち込み、需要飽和を打開する戦略が講じられた時期の前に着手している。2000年以降は、売り上げの低迷はあるものの、道内で不動の地位を維持し、店舗数は拡大の一途を辿っている。人気を呼んでいるホットシェフであるが、外観は下の画像のようである。

ホットシェフの外観 
撮影:筆者

 財務状況は好転しており、その状況の推移は下の図の通りである。

図11-4 セイコーマートの財務状況の推移
出所:同社に関するホームページによる。
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セコマと大手コンビニとの類似点と相違点

 セコマと大手コンビニとの共通点をみてみよう。

 第一は、歴史的な経過である。セコマのコンビニ1号店ヘの着手は1971年である。セブン・イレブンの1号店が豊洲で1974年だからもっとも古いことになる。

 創業者は、酒類の卸売りを営んでいた「丸ヨ西尾」(現セイコーフレッシュフーズ)に勤めていた赤尾昭彦氏で、時代の変化に伴い売れ行きが伸び悩む中、思いついた。発端はアメリカの店舗のモデルを経営者が持ち帰り改良したものであり、酒のチェーン販売から出発しているのは、セブン・イレブンと類似している。