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売上高、利益共に過去最高を更新し続けている積水ハウス。好調な業績の一方で、キャリア採用は課題が山積みしていた。改革を任されたのが、2021年に入社し、現在キャリア採用グループのリーダーを務める船木路子氏である。どのような施策を実行したのか。同氏に聞いた。
需要は高まる一方で、キャリア採用を専任に行う部署がなかった
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大学卒業後、自動車部品メーカーに入社、経営企画部門でアジア・北米拠点設立閉鎖、中長期経営計画、戦略実行を経験。2010年、総合モーターメーカーへ入社。知的財産部を経て人事部へ異動。国内外の採用戦略の企画立案・選考・研修・入社後支援までの一連のプロセスとメンバーの育成、D&I領域を担当。2021年9月に積水ハウスに入社し、主にキャリア採用業務に従事。
積水ハウスは2024年1月期決算で売上高が初の3兆円を突破。コロナ禍でも右肩上がりで成長を続けてきた。業績の伸びに伴い、各部門にて専門人材の不足が深刻化し、当然ながら即戦力となるキャリア人材のニーズが高まった。しかし意外にも、当時の同社にキャリア採用専門部隊はおらず、キャリア採用のノウハウが蓄積されていない状態だった。さらに、根深い問題もあった。船木氏は次のように語る。
「事業部門のみならず人事部内含め、多くの方が『採用は人事の仕事』と当然のように思い、双方で密なコミュニケーションが不足していたことです。求める『人財』の情報は事業部門の中にこそあります。その情報と採用スキームの摺り合わせの重要性を理解してもらうことが、改革の本質でした。」