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2024年4月22日にTポイントと三井住友カードのVポイントが統合した「新生Vポイント」のサービスを開始、その3日後にはTSUTAYAの旗艦店である「SHIBUYA TSUTAYA」をリニューアルオープンさせるなど、次々と新たなプロジェクトを仕掛けているカルチュア・コンビニエンス・クラブ(CCC)。髙橋誉則代表取締役社長兼CEOに、こうしたチャレンジの狙いと同社が思い描く将来像について話を聞いた。(前編/全2回)
<ラインアップ>
【前編】新生Vポイント、旗艦店リニューアル…新プロジェクトを次々に仕掛けるカルチュア・コンビニエンス・クラブの狙い(本稿)
【後編】「人づくりこそが最大のミッション」カルチュア・コンビニエンス・クラブ社長が描く“知的資本カンパニー”実現の秘策
異例のスピードで決まった三井住友カードとの提携
――新しいVポイントのサービスがスタートしましたが、その狙いは何ですか。また、なぜパートナーに三井住友カードを選んだのでしょうか。
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1973年6月25日生まれ、東京都出身。1997年3月大東文化大学経済学部卒業後、1997年カルチュア・コンビニエンス・クラブ(CCC)入社。FC事業本部で人事リーダー職を経て、2006年に自ら社内起業したCCCキャスティング代表取締役社長に就任。その後、CCC執行役員、TSUTAYA常務取締役などを歴任。2018年3月末より3年間の主夫を経て、2021年4月CCCグループに復帰。2021年にオープンデータで社会の活性化を目指すCatalyst・Data・Partnersを設立し代表取締役社長に就任。2022年4月CCC代表取締役副社長兼COO、2022年10月CCCMKホールディングス代表取締役社長兼CEO(現任)、2023年4月CCC代表取締役社長兼COO兼CHRO、2023年4月CCC代表取締役社長兼CEOに就任し現在に至る。
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座右の銘:「自分のことを考えるより、他者のことを想うとき、人は優しくなれる」
尊敬する人物:ヨハン・クライフ(オランダ出身の元サッカー選手、指導者)
変革リーダーにお薦めの書籍:『人を動かす』(デール・カーネギー著)、『フリーエージェント社会の到来』(ダニエル・ピンク著)
髙橋誉則氏(以下、敬称略) Tポイントは業界横断で共通ポイントを使えるという先鋭的なサービスでしたが、スタートから20年がたち、さまざまな領域から参入が増えて競争が激しくなってきました。
その中で他社と比べて弱かったのが、決済の領域です。そこをいかに強化していくかが重要なテーマでした。自社で頑張れないところは外部とのパートナーシップで事業を再生していくのが私の基本方針なのですが、必要なピースとして三井住友カードが持つ決済基盤がぴったりとハマりました。
――提携の話はどのような経緯で進んだのでしょうか。
髙橋 最初に三井住友フィナンシャルグループ(SMFG)の太田純前社長(2023年11月に逝去)や三井住友カードの大西幸彦社長と30分ほどお話する機会があり、そこで「ポイントビジネスで何かやりませんか?」という話が出てきました。そして、2回目にお会いした際にはかなり突っ込んだ話になり、それから1カ月後には基本合意に至りました。
それだけのスピード感で話を進めることができたのは、われわれとSMBC(三井住友銀行)グループの思想が非常に近かったことが背景にあります。
他の多くのポイントサービスが自社サービスに付加価値をつけることによって、いわゆる“経済圏”を構築するのが目的であるのに対し、Tポイントのサービスは、世の中のさまざまな事業をインフラとして応援していくスタンスで始まりました。決して、TSUTAYAのためにTポイントを始めたわけではないのです。SMBCグループも同じ考えで、方向性が一致していたことが大きかったと思います。
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