MIXI代表取締役社長 上級執行役員CEOの木村弘毅氏(撮影:内海裕之)

 2024年12月、SNS「mixi2」を前触れもなくリリースして大きな反響を呼んだMIXI(ミクシィ)。過去にブームを巻き起こした初代「mixi」をはじめ、スマートフォンゲーム「モンスターストライク」の大ヒット、プロバスケットボールチームほかスポーツ事業への参入などさまざまな話題を世の中に提供してきた。新たな仕掛けを続ける理由と根底に流れる企業文化について、同社の木村弘穀社長に話を聞いた。

「mixi2」でSNS本来の姿を取り戻したい

──昨年末に「mixi2」をリリースして話題となりました。開発を主導したのは創業者(現取締役ファウンダー)の笠原健治氏ですが、リリースまでに社内ではどんな議論がありましたか。

木村弘穀氏(以下敬称略) 「豊かなコミュニケーションを広げ、世界を幸せな驚きで包む。」というのが当社のパーパスですが、自分たちのサービスによってだけでなく、社会的にどういうコミュニケーションの状態になればみんながハッピーになれるかを常に考えています。

 その中で昨今のSNSを見ていくと、日本だけではなく世界各国のビジネスモデルがインプレッションベースになっていて、とにかく“炎上させた者勝ち”みたいな空気になっている状況です。

 でも、本来は利用者が温かい気持ちになったり、有益な情報を得たりできる場を提供するのがSNSの価値だと思っているので、もう一度その姿を取り戻すことが必要ではないかと考えていました。

「mixi2」で特徴的なのは、例えばレスポンス欄に「やさしいことばで返信しよう」と書いてあったり、自分の感情をテキストに載せて動かせる「エモテキ」と呼ばれる機能を付けたりしているところです。「それ、かわいいね」とか「エモいね」といった感情を、アイコンで表示してリアクションできるようになっています。

mixi2の「エモテキ」機能