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金融機関は今、大きな転換期を迎えている。千葉銀行は、「地域に寄り添うエンゲージメントバンクグループ」を目指し、デジタルによって「最高の顧客体験」を創造するためのDX戦略を策定し実行している。その取り組みについて、千葉銀行執行役員でデジタル戦略部長を務める柴田秀樹氏に聞いた。
地域の金融機関として地域の課題解決に取り組む
――「地域に寄り添う エンゲージメントバンクグループ」が千葉銀行のビジョンですが、2023年4月~2026年3月までの中期経営計画も名称が「エンゲージメントバンクグループ ~フェーズ1~」と同じフレーズが使われています。
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1994年千葉銀行入行。以降、シンガポール駐在員事務所長、県庁支店長、人材育成部人材戦略室長、デジタル改革部長を経験。2023年4月より執行役員デジタル戦略部長に就任し、千葉銀行グループ全体のDX推進を牽引中。
柴田秀樹氏(以下敬称略) パーパス、ビジョン、第15次中期経営計画は2023年3月、同じタイミングで策定しました。
「エンゲージメントバンク」という言葉は、DX戦略のビジョンを表す言葉でした。営業店も含めて、これまでリーチできなかったお客さまにしっかりリーチする。そのためにデジタルを使っていこう、というところからスタートしました。それが、中計にも採用されています。経営陣が考えるところと、DXの戦略で出したものの方向性が同じだったと確認できました。
――「エンゲージメントバンクグループ」とは顧客本位の業務改革を推進していくという意味だと思われます。地域の金融機関として、地域のどのような課題の解決に取り組もうとしていますか。
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柴田 千葉県の人口は約627万人ですが、その半数以上の方に当行の口座をお持ちいただいています。さらに、20代では、「ちばぎんアプリ」をお使いの方が約25%に達しています。つまり、4人に1人の方が使っているのです。
私たちの営業基盤は、首都圏ですので競争も激しいですが、こういった状況であることから、地元の銀行として、もっとお客さまに提案できること、提供できることがあるのではないか。もっと自分たちが「研ぎ澄まされた銀行」にならないといけないのではないかという議論をしています。
千葉県はまだ人口が増加している地域もあります。そうなると、ますます私たちの活動は千葉県と共にサステナブル(持続可能)なものになるのではないかと考えています。
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