商業施設におけるDX(デジタルトランスフォーメーション)を推進する三井不動産。これまではアプリや公式通販サイトのリリースなどお客のスマホを使った取り組みが先行していたが、ここにきてリアル施設とデジタルを融合させる取り組みも始まっている。ショールーミングストア「ららぽーとクローゼット」はその1つ。これにより、お客の買い物体験はどう変わるのか。三井不動産が商業施設DXで実現する未来の買い物の姿を紹介する。
リアル施設とデジタルの融合を進めてきた商業施設DX
三井不動産は「リアルとデジタルの顧客接点の融合」を主眼に、商業施設DXに取り組んできた(下の図)。
2014年10月にスマートフォン向けの「三井ショッピングパークアプリ」をリリースしたのを始まりに、2017年11月には公式通販サイト「&モール」もリリース。2018年6月には三井ショッピングパークアプリにQRコードを読み取って決済する「アプリde支払い」機能を追加している。
リアル施設と融合させたデジタルの取り組みでは、2018年10月から&モールで買った商品を施設で受け取れる「&モールデスク」の設置を開始。2020年10月からRFID(無線自動識別技術)を活用し、店舗内の商品在庫情報を読み取ることで、店舗在庫商品を&モールでも販売する試みを一部店舗で始めている。
そして、2021年3月に&モールのサテライト店と位置付ける「ららぽーとクローゼット」の1号店をららぽーとTOKYO-BAY(千葉県)内にオープン。2023年12月8日にその2号店をららぽーと海老名(神奈川県)に設けた。