大企業もスタートアップの力を必要としている

 あなたのスタートアップが他の企業をコラボレーションする時の大事なポイントも紹介しておきましょう。

 今やあらゆる産業がDX(デジタルトランスフォーメーション)を戦略として取り入れる時代になりました。時代の変化も激しく、従来通りのモノやサービスの提供だけでは企業の成長が鈍化してしまうため、特に大企業はスタートアップとのコラボレーションに注力し始めています。

 しかしながら、大企業にとってはスタートアップとの連携はまだまだノウハウがなく、どのようにスタートアップにアプローチをすればよいのか、どのようなアライアンスを組めばよいのか、大企業側がわかっていない可能性があります。

 この時に重要となってくるのが、協業か共創かという視点です。

 話を受けるスタートアップ側としては、他社からコラボレーションを求められた際に協業なのか、それとも共創なのか、その違いをしっかりと認識していないと誤解が生じてしまう恐れがあります。協業は大企業の自前主義を軸とした、大企業主軸の取り組みであり、スタートアップを下請けのように扱って大企業のミッシングパーツを補うものです。実際には委託契約を締結するなどが典型例になります。

 他方、共創は対等かつ協調的な関係を構築します。大企業は優れたアイデアをスタートアップから獲得し、これまで発想してこなかったような組み合わせにより、新たなブレイクスルーの実現を目指します。文字通り、共に0から1を創るパートナーの関係になります。

 最近では、その共創を起こす場としてオープンイノベーションを活用し事業を起こそうとする大企業も増えてきました。