煩雑な“バックエンド”を一括で行うサービスを提供

 一般的に、金融取引には「集客・与信→サービス提供→債権管理→請求督促→回収消込→償却譲渡」という6つのプロセスがある。前の2つは使いやすいUIなどを設計するフロント、後の4つは具体的に回収に入るバックエンドとなる。

「Lectoの顧客は、クレジットカードや消費者金融を含む既存の金融事業者、大手事業者の新規事業部門やFintech関連のスタートアップになります。どの企業も与信ロジックやアプリケーションのようなフロントにはお金をかけますが、バックエンドは後回しになっています。バックエンドの部分では、プロセスごとに業務内容・管理データの仕様・その実装方法・ベンダー選定などを決める必要があり、コストだけでなく、稟議や決裁も必要なので時間もかかり、意思決定も煩雑です。そこで、Lectoでは金融取引のバックエンドに存在する、債権の発生から償却譲渡に至るまでの全プロセスを一元管理できるプラットフォームを開発することにしました」

 最初にLectoが行うのは、債権管理、督促・回収を支援する「督促回収テック」SaaS事業。督促・回収は金融ビジネスの肝にもかかわらず、30年間変わらないアナログなやり方でアップデートの余地が大きいと小山氏は考えた。

「今までは督促のスペシャリスト的な人がいて、その人なりの経験を生かすことで回収ができてきました。この方法は属人的で、継続していくためには多大な教育コストがかかります。そこで、そういったスペシャリストたちのノウハウを再現し、督促という業務を誰でも同じように確実に行えるプロダクトを作ろうとしているのです」