督促回収の怖い、理屈っぽいのイメージを変えたい

 債権回収会社はサービサー法で法的に認められた会社だが、世間のイメージは決して良くない。「怖い人や理屈っぽい人がいるというイメージがありますから、それを変える必要はあると思っています」と正直な思いを吐露する。

 そのために小山氏が考えているのが、督促回収を行う部署を「最前線で接点を持ち、お金を借りている人の課題解決をしていく部門として再定義すること」。督促回収の部署で働く人たちの仕事のやり方を変えることで、債権回収に対する世間のイメージを変えたいと考えている。

 そして、こうしたことが実現した未来について、小山氏は「督促回収のDXができると、金融事業者側は無駄なコストや時間を減らせるので、少人数で業務をできるようになります。そこで働く人たちにとっても督促回収以外に使える時間が増えるので、従業員同士のちょっとした会話や意見交換などがしやすくなり、もっとクリエイティブな働き方をしてもらえるようになると思います」と言う。

 アナログな方法で行っていたが故、従来のイメージをまとわねばならなかった督促回収の世界。その業界をDXすることで、働く人の仕事の仕方を変え、金融事業者がお金を貸しても回収しやすい状況をつくる。

 そうなれば、企業が借金などでレバレッジをかけて事業を行っているように、個人もお金を借りやすくなり、より自分がしたいと思う暮らしをできる人が増えるかもしれない。

 DXには、こうしたこれまであった制約から人々を自由にする力がある。