デジタライゼーションの先で期待される広域連携
データの活用は、一つの自治体内に閉じた話ではない。データを利活用できる自治体が増えてくると、生活圏や経済圏を同一とする自治体間で情報を連携する仕組みの構築が可能となる。
これまで、自治体間での広域連携は、資源の共有による業務の効率化やコスト削減の観点で進められることが多かった。しかし、今後は、住民への利便性の向上や安全・安心なまちづくりの観点での連携が期待される。例えば、防災分野では、避難者の情報や避難所の運営情報、道路情報、河川情報等をリアルタイムに自治体間で共有できるようになると、避難指示等の行政判断を的確かつ迅速に下す一助となる。
また、モビリティ分野においては、生活圏が同一となる自治体間で課題を共有し、解決に資するデータを連携し合うことでシームレスな交通手段を構築することも期待できる。このほか、医療や教育等のさまざまな分野においても、デジタル技術とデータを組み合わせることで、これまでに実現できなかったサービスを住民に提供できる可能性がある。これらを実現するにはやはりデータを使える基盤が整っていることが重要である。