(2)自治体外から取得したデータの活用
 自治体外のデータに目を向けると、民間企業が保有するデータを活用した政策立案や、これまでの業務では得られなかったデータを新たに取得・活用しようとする動きが加速している。

 例えば、神奈川県川崎市では、民間企業が提示する走行実績データや国土交通省が持つ交通ビッグデータを掛け合わせ、交通事故の減少や道路混雑の解消等に向けた政策の立案に活用している。また、位置情報や検索情報のビッグデータを保有する民間企業と連携することにより、それらの情報と自治体が保有する情報を掛け合わせることで、新型コロナウイルス感染症への対策方針の検討に生かそうとする自治体も出てきている。

 デジタル技術の活用によって得られる新たなデータを政策に生かす動きも活発となってきた。センサーやドローン等のデジタル技術を用いてこれまで取得が難しかった水位データや航空写真等の情報を取得し、災害時のリアルタイム状況把握や被害予測等に活用したり、インフラ設備の保安にドローンや画像解析技術を活用したりといった事例が増えている。

 従来の自治体が保有するデータだけでは課題解決が難しかった分野では特に、民間の技術力を活用した官民の連携による政策の立案、実施が期待される。