このようなNFTの取引や市場への関心は、最近、世界的にますます高まっています。この3月下旬には、ツイッターの創始者がツイート第1号とされる自身最初のツイートをNFT化したところ、約3億2000万円で落札されたニュースが関心を集めました。要は、デジタル形態でさえあれば良く、標準化されている必要はありませんので、アートでも音楽でも投稿動画でも「つぶやき」でも、NFT化できるわけです。既に世界中の人々が自らの動画や写真などをユーチューブやインスタグラムにアップしている中、「これからはどんなコンテンツでもマネタイズできるかも」という期待が盛り上がりやすいのは当然でしょう。

 同時に、「デジタルアートが約75億円」「ツイートが約3億2000万円」といったニュースが飛び交う中、さすがにバブルの可能性を指摘する声もみられています。株や債券、不動産などと比べても、これらのコンテンツを高値で購入する理由は「私が持っています」という心理的満足感に拠る部分が大きいことは確かでしょう。

トークンエコノミ―発展のために

 それでは、このようなNFTが経済や社会の発展に寄与していくには、どのようなことが必要になるのでしょうか。

 まず、ブロックチェーンやスマートコントラクト(契約の自動化、第19回参照)などのデジタル技術を、さまざまなモノの市場や安全かつ効率的な取引に十分活用できる、法環境などの整備が挙げられます。