安全で外に目を向けやすい組織と
自分の頭で考え行動する社員

 いずれにしても、目指すべきところは生産性の向上です。生産性を式で表すと「生産性=アウトプット/インプット」となりますが、今の働き方改革では、インプットを減らすのが主眼になっていると思います。しかし、インプットを減らすのには限界があります。いずれアウトプットを増やさなければならなくなるのは必然。いかにしてより高い付加価値を生むか。これがその先の働き方改革です。

 目指すのは、顧客から「積年の悩みが解決した! ありがとう!!」と言われるような新たな価値を創造すること。一口で言うとイノベーションです。これが社員にとっての“やりがい”にもつながります。私は「働きがい=働きやすさ×やりがい」という式が成り立つと考えています。今は働きやすさに焦点が当たっていますが、もっとやりがいに焦点を当てるべきです。

 最後に、“その先”の企業がどんなものか。このイメージを共有しておきます。三菱総合研究所による「組織を活性化させる風土づくりに関する調査」の結果を見ると、企業のあるべき姿がイメージできます。調査結果によると、活性化した組織では「個性を尊重する風土」「組織目標に向かって一丸となる風土」「社内よりも顧客を重んじる風土」「社会への貢献を重んじる風土」といった数値が高くなっています。これらを解釈すると、活性化した組織は、内側がまとまっているので目が外に向いている、と考えられます。

 内側がまとまっているとは、部門間のいさかいや上司への忖度が無い状態でしょう。内側がまとまっていて安全で、思い切って外に目を向けられる状態が、組織を活性化させるための前提になります。この状態をトップ主導で目指すべきです。