主な収入源は販売手数料
日本経済新聞社グループの情報ベンダーであるQUICKの資産運用研究所が2018年9月に実施した「IFA実態調査」(n=200)によると、IFA業務の主な収益源は「証券の仲介手数料(コミッション)」が最多の36.0%、「生命保険販売業務」が14.5%でした。「預かり資産に応じた報酬(フィー)」と「コンサルティング業務(顧問料、相談料)は8.0%とあまり多くありません。
販売手数料が主な収益源になっている日本の場合、金融商品をたくさん売買するほどIFAの収益が上がる利益相反の関係は残されたままです。IFAの主な収入が金融商品の販売手数料に依存しているとなると、「投資家サイドに立った公平なアドバイス」がどこまで現実的なのか、疑問が残るところではあります。上記調査の回答でも「その他」「わからない・答えたくない」「無回答」の合計が20%近くに達しており、IFAの存在価値を正しく判断するのは、もう少し先にした方がよさそうです。
個人と個人の付き合いを判断基準に
それでも、いまのうちからIFAと付き合ってみたいと考える場合は、以下の4つを考慮してみてはどうでしょうか。
1つめは、コスト体系が残高に応じた報酬制(フィー)になっているIFAがあること。先進的な取り組みを進めているIFA法人のなかには、販売手数料ではなく、助言した運用資産の残高に応じて報酬を得るコースを中心にしているところがあります。これまでの金融機関の在り方に疑問を感じている人は、相談してみる価値があると思います。
2つめは、すべてのIFAが販売手数料目当てでアドバイスしているわけではないことを理解すること。証券会社や銀行と違って、IFAは個人と個人の付き合いが基本です。投資家に信頼されなければ、IFAとしての存在理由はないわけです。担当IFAの実力を色眼鏡で見ることなく、まずはそのIFA自身が信頼に足る人物かどうかで判断したいところです。
3つめは、IFAの「アドバイス」にどれだけの価値を見出せるかという点。IFAが広く深い知見と正しい投資哲学をもってアドバイスしたとしても、結論として出てくるポートフォリオや投資商品は極めてシンプルなことがあります。結論だけ欲しいという人は、そのシンプルさに不満を感じるかもしれません。投資や資産運用は思った以上に孤独な作業。IFAは自分の不安を取り除き、自信をもって納得するための存在であると考えることができれば、長くよい関係が築けるのではないでしょうか。
4つめは、どうしても低コスト運用を追求したいなら誰の助けも借りない、と覚悟することです。ローリスク・ハイリターンの金融商品がほとんど存在しないように、低コストで有効アドバイスはないと心得ましょう。