個人が投資や資産運用に関する「情報」をどのように得ているか。「老後2000万円問題」は図らずも、個人の情報の取り方に課題があることを露呈しました。
ポイントは大きく2つあると思われます。ひとつは、報道情報の出どころ(大元)である「一次情報」にまで当たる人が少ないようだったこと。もうひとつは、メディアによる情報の切り取り方に誤解を生みやすいものがあったことです。
今回は、投資や資産運用に関する情報の集め方について考えてみます。
情報価値は高いが見つけにくい一次情報
そもそも、「一次情報」とは何でしょうか。一般には「ある個人や組織が直接的に体験から得た情報や考察、自らおこなった調査や実験の結果」などとされています。簡単に言えば、個人や組織によるオリジナルな情報、ということができるでしょう。
「老後2000万円問題」でいえば、金融庁の報告書が一次情報です。そして一次情報を多くの人にわかるように説明したり、意味を解説したりしたのが「二次情報」です。つまり報告書をもとに報道された記事が二次情報ということになります。
一次情報と二次情報、それぞれに意味があります。一次情報は情報の独自性が高く、信頼性が高いメリットがあります。一方で、細かいデータが羅列されていたりして、専門家には理解できても、一般個人ではそれを十分に読み解けないことが珍しくありません。また、一次情報は二次情報に比べ見つけつくい傾向もあります。