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2019.08.14

大船渡・佐々木が故障予防ITデバイスを使っていたら
IoT時代、<スポーツ選手の故障の予防法>が変わる

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 スポーツの場合、それがプロかアマチュアかということにかかわらず、競技団体が率先して、アスリートファーストの観点から選手を守る立場を明確にし、怪我や故障の予防を目的にデータ活用を推進する方向に舵を切るべきではないか。

 例えば、日本高等学校野球連盟(以下、高野連)は佐々木投手の「事件」を奇貨(貴重なきっかけ)として捉え、U18や都道府県選抜にノミネートされるようなトップクラスの選手(特に投手)には、たとえばカタパルト社のGPSデバイス「VECTOR」(今後リリースされる野球版)を無償で貸与する、そして選手の運動データを一元管理することで、高野連の権限と責任で登板過多による怪我や故障のリスクから選手を守る、というルールを公的に確立するというアイデアはどうだろう。

 このルールを導入・定着させることで恩恵を受けるのは、佐々木選手のようなトップアスリート自身だけではない。チーム内でもトップ選手に寄り添い、コンディションを管理する「コンディショニングディレクター」という魅力的な役割(役職)が新たに生まれるはずだ。主にチームの財務や雑用全般を担当するマネージャー、自チームや対戦相手チームの戦力を分析するデータ班に加えて、コンディショニング分野で控え選手層の部員が活躍できる戦略的な機会が増えることだろう。そして、結果として、チーム全体が活性化するという副次的なメリットも期待できる。

 また、同時に、佐々木選手のように身体の成長過程にある高校生アスリートの運動負荷や蓄積疲労と怪我や故障の相関について、スポーツ医学の側面からの研究についても目配りが必要になると思われる。カタパルトに代表される最先端のスポーツテック企業と協働を視野に入れながら、研究の助成だけでなく研究者の育成も含めて、競技主催団体である高野連の責任とイニシアティブで推進していかなければならないことは言うまでもない。

 もちろん、そのための財源の確保も喫緊の課題である。これに関しては、科学的なコンディション管理によって選手を守ることを名目に、企業や民間からの寄付や県予選を含む全国高等学校野球選手権大会の入場料の値上げ(たとえば現状500円を700円程度に値上げする)によって基金づくり(公益財団法人化)を行えば、高校野球ファンや選手の父母・後援団体からも幅広く賛同を得やすいのではないかと推察される。

 IoT時代、スポーツ選手の故障の予防法が変わる。いや、待ったなしで変えていかなくてはならない。

 データの力で、この夏に起きた熱い論争に終止符を打つことを、学生時代に肩の故障で選手生命を全うできなかった元野球選手の端くれとしては、切に願うばかりである。

JBPRESS

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