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2019.08.14

大船渡・佐々木が故障予防ITデバイスを使っていたら
IoT時代、<スポーツ選手の故障の予防法>が変わる

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 カタパルト社のGPSデバイスの導入が最も進んでいる分野と言われるのが、日本のJリーグを含むプロサッカーの世界である。

 その背景として、2015年にFIFA(国際サッカー連盟)がGPSデバイスの試合での着用を認めたことが挙げられる。日本のJリーグも翌年この方針に追随した。

 データ解析により故障のリスクを未然に回避することで、クラブは高額な年棒を払って獲得したスター選手が年間を通じて試合に出場できないという経営上の機会損失を防ぐことができる。

 読者のみなさんは、テレビのスポーツニュースなどで、欧州のトップクラブのプロサッカー選手たちが上半身に(ユニフォームの上から)黒いブラジャーのようなものを身につけて練習する風景を目にしたことがあるかもしれない。「デジタルブラジャー」と呼ばれるこの装置の背中の部分には、ちょうどミントタブレットの「フリスク」(FRISK)の箱くらいの大きさのGPSデバイスを固定するポケットがついている。このGPSデバイスには加速度/角速度センサーや地磁気センサーも内蔵されていて、選手の走行距離・スピードだけではなく、加速や減速、身体の傾き、方向転換など選手の様々なパフォーマンスを高い精度で記録できる(カタパルト社のGPSデバイス「OptimEye S5」の後継で、主力製品の「VECTOR」の場合)。

カタパルト社のホームページより
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 そして選手の運動に関するあらゆる角度からのデータを一定の期間蓄積していくことで、1日の練習や試合で平均値に対してどれだけ多くの負荷が選手にかかっているのかを、PCの専用ソフトやスマートフォンのアプリ画面を見ながらチェックすることが可能になる。

 短期的な過大負荷(オーバーロード)は選手の疲労につながるだけでなく、怪我や故障の直接的な原因にもなる。そのため、チームのマネジメント層だけでなくプレイヤー本人もそのアラートを的確に把握し、的確なケアを心がけることが必要だ。

 仮に、ある選手が突発的に故障してしまった場合、ある程度のデータの蓄積があれば、その直前のデータを解析することで、その選手の特定の運動の身体への負荷と故障リスクについての相関を探ることができるだけでなく、再発の防止(さらなる予兆の発見)につなげることもできる。

怪我や故障に関与する2つの指標

 カタパルト社のGPSデバイスはさまざまなデータを取得しているが、そのなかで怪我や故障に関与するのは、運動量を示す「ボリューム」(Volume)と運動強度を示す「インテンシティ」(Intensity)という2つの指標だという。

 サッカーの場合、ボリュームは選手のトータルの走行距離、インテンシティは得点に絡むシーンなどハイスピードで走行した距離やその割合、つまり急激な加速・減速という強度を示すデータになり、その分析手法も確立されてきている。

 野球おける本格的な導入はこれからだが、佐々木選手のような主戦投手の場合、試合中に足がつる、肩が重くなるというのはボリュームに関係するアウターマッスル系への負荷、肘や肩の内側が痛くなるというのはインテンシティに関係するインナーマッスル系への負荷ということになるだろう。

JBPRESS

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