(3)監査報酬
投信は原則的に、決算ごとに監査法人などから監査を受ける必要があります。その監査にかかる費用が信託財産から間接的に支払われます。

(4)売買委託手数料
投信が投資する株式などを売買する際に発生する費用で、発生の都度、信託財産から間接的に徴収されます。運用の結果発生する費用なので、事前にいくらかかるのかを示すことはできません。

(5)信託財産留保額
主に投信を解約する際に直接的に徴収される費用。この費用を設定しているかどうかは投信によって違い、目論見書などに記載されています。

販売手数料がないノーロード投信が増加

 これらのなかで大きな比率を占めるのが、(1)販売手数料と(2)信託報酬でしょう。

 ちょっと前まで投信の販売手数料は、購入金額の3%(税別)という料率が主流でした。ファンド・オブ・ファンズ(複数の投信に投資する投信)など運用が複雑な投信では3.5%のものもあります。3%の場合、100万円を投資すると、その場で3万2400円(消費税8%込み)が差し引かれるのですから大きいですね。

 確定拠出年金やラップ口座の専用投信とETFを除いた、販売手数料が無料(ノーロード投信)は554本(モーニングスターによる)。同じく全体では4983本なので、いつでも購入できる投信のうち1割強がノーロードということになります。以前に比べてずいぶん増えた印象です。販売手数料率は、販売会社が投信運用会社と相談して決めるので、投資家ニーズが徐々に反映されてきているということでしょう。

アクティブとインデックスでは信託報酬が2倍違う

 一方の信託報酬は運用会社の主たる収入源になります。報酬率は投信の目論見書に明記されています。前述のように公募投信の平均信託報酬率は年率1.233%ですが、これは運用責任者(ファンドマネージャー)が組入銘柄や比率を機動的に運用していくアクティブ投信と、ある株価指数に連動するようにいわば機械的に運用するパッシブ(インデックス)投信を合わせた平均値です。

 アクティブ投信はインデックス投信に比べて、時間や人員、運用の外部委託など運用に手間がかかることが多いとされているので、信託報酬は高めです。三菱アセット・ブレインズによると、アクティブ投信の平均は1.334%でインデックス投信が0.580%(いずれも2018年末現在の年率)となっています。2倍以上の違いです。冒頭の2本のインデックス投信は0.01%以下ですから、そのコストの低さがわかります。