日本の教育の目指す道

 日本では学習指導要領があって、教師が自由に教えるのは難しいと指摘すると、米国でも公立と私立では異なり、自分の学校は私立なので自由が利くとのことであった。

 日本でも学習指導要領を改定しようという動きがあり、アクティブラーニング(討論型授業)を導入しようということである。ぜひ多くの日本の教育関係者にGTEの授業参観に来てもらいたいと思っている。シリコンバレーに出向かなくても、日本で本場の教育を目の当たりにできるこのプログラムは稀有の存在である。アクティブラーニングを実践するには、教師の側も相当の訓練を積まないとできないだろう。

 現状、文部科学省は危機感もあり、国際バカロレア認定校を増やす等の努力をしているようであるが、既存のカリキュラムと連動させていくには時間数が足りず導入するには新たな学部を作るか、新たな学校設立などが必要となると言う。その点、GTEはサマープログラムであり、すぐにでも受講できるので、興味がある学校にはぜひ見に来てもらいたい。

 今後、社会生活にロボットやAIが進出してくるにつけ、我々の持つべきスキルセットはガラッと変わるはずである。それを見越した教育に変えておかないと、将来、悲惨なミスマッチが起きるのではないかと危惧する。

 暗記してひとつしかない正解を当てるというジグソーパズル型の教育は必要なくなり、調べ方さえ覚えておけば、興味がわいたときに自分で調べることができる。

 何より、身の回りの課題を自分で見つけ、そのソリューションをチームで激論を戦わせながらビジネスプランとして組み立てる課題解決型の訓練こそ、人間がなすにふさわしい能力であり、それこそ日本にベンチャーを根付かせ、経済成長や雇用創造を実現する源泉となるのではなかろうか。

2016年のGTE参加者の集合写真。