具体的には次の2つを避けたいところです。ひとつめは「自分が知らないうちにリスクが大きくなっていること」。これは、想像以上に資産が目減りする可能性が高まっていることにほかなりません。ふたつめは、その逆に「自分が知らないうちにリスクが小さくなっていること」です。これでは自分が期待する収益に届かない可能性が高まってしまうからです。
この2点を避ける対応策のひとつが「リバランス」です。リバランスとは、投資している金融商品の中身の資産バランス(日本株式/海外株式/国内債券/海外債券などの割合)を調整することです。
定点観測の意味でも1年ごとのリバランスを
最初に、日本株式に投資する投信に50%、海外株式に投資する投信に50%のバランスで投資したとします。投資してから時間を経ると、投信の値動きによって50%:50%のバランスが変わっていきます。その結果、日本株式70%:海外株式30%になったとしたら、日本株式の20%を売却して、その分で海外株式を50%まで買い増して元のバランスに戻します。これがリバランスです。
当然のことながら、投資スタート時の50%:50%というバランスが、リスク許容度と期待収益の観点から合理的かつ自分が納得していることが前提です。
リバランスのタイミングとしては、期間とバランスのズレ幅(「◯%ずれたら」など)の2つが考えられます。期間は、資産を定点観測するという意味でも「1年ごと」程度がよいでしょう。あまり頻繁におこなうのは売買コストなどの点で効率的ではありません。
資産運用全体をシンプルに中身をわかりやすく
資産運用のリスクマネジメントに関して、投信の運用経験もある経済評論家の山崎元氏が面白い発言をしています。「市場のリスクよりも真に恐ろしいのは人間の方だ」。山崎氏は金融機関のセールスマンやFP(ファイナンシャル・プランナー)、自らも含まれる経済評論家などの誰も将来の金融商品のリターンを正確にわかるはずがないと断言。「人間のリスク」という言葉を使いながら、友人・知人を含めた「他人を信用するな」とアドバイスしています。