自分のリスク許容度はどの程度なのかを確認

 投資対象のさまざまなリスクが収益の源泉になるのであれば、投資にあたってはまず、自分がどの程度のリスクなら許容できるかをはっきりさせる必要があります。たとえば、投資したいと考えるお金が100万円あったとします。この100万円が1年後に80万円に目減りしたとしても、自分は納得できるし大きな不安にならないだろう――。こう思えるなら年率20%のリスクを許容できるということになります。

 これは銀行などで資産運用の相談をした際に、最初に確認される「リスク許容度」チェックの一例です。実際にはもう少し細かいチェックリストや質問がありますが、基本は同じと思ってよいでしょう。

 どのような投信に投資するのか。つまり、どの種類のリスクを取って収益をねらうのか、という点はリスク許容度を確認してから検討することになります。

長期・分散・低コストがリスクマネジメントの基本

 個人の資産運用の基本は「長期・分散・低コスト」にあると言われています。

 「長期」とは運用期間をできるだけ長く設定すること。そうすることで、得た利益をさらに運用に回す複利効果がより大きくなります。

 「分散」とは、値動きの特徴が異なる金融商品に分散して投資すること。トータルの収益のブレ、まさにリスクが低減する効果があります。

 「低コスト」は、信託報酬などの運用コストが低い金融商品を選ぶこと。運用コストは運用期間が長くなるほど、複利効果に大きな影響を及ぼすからです。

 つまり、「長期・分散・低コスト」によって、投資の費用対効果を大きくしながら起算全体のリスクを小さくする効果が期待できるわけです。これは、個人の資産運用における「リスクマネジメント」の基本とも言うことができます。

知らないうちに・・・を避ける「リバランス」

 ここで改めてリスクについて整理してみましょう。

・資産運用におけるリスクとは、期待する収益のブレ幅
・リスクは投資収益の源泉
・金融商品や投資対象によってリスクの種類・大きさが違う
・自分が許容できるリスクによって相応の収益が期待できる
・投資の第一歩は自分が許容できるリスク度合いを確認すること
・「長期・分散・低コスト」はリスクマネジメントの基本

 資産運用におけるリスクマネジメントで重要なのは、「知らないうちに・・・」を極力避けるということです。